自由民権期の政府系政党。立憲帝政党が正式名。1882年3月,政府当局の意をうけて《東京日日新聞》の福地桜痴(源一郎),《明治日報》の丸山作楽,《東洋新報》の水野寅次郎を中心に結成された。福地起草の綱領では,国体の保守,国権の拡張,漸進主義を唱え,国会開設の詔の遵守,欽定憲法主義,天皇主権説,二院制,制限選挙制,天皇の国会議決不認可権などを主張,反民権主義に立った。前記3新聞と大阪の《大東日報》などが機関紙であった。帝政党系の地方政党には熊本の紫溟会(しめいかい),宮津漸進党,山梨の立憲保守党,高知の高陽立憲帝政党などがある。当初官憲の援助の下で地方官吏,士族,神官などの階層に勢力の扶植を図ったが不振。しかし民権運動を民衆の内部から切り崩そうとする意図は一定の成果を収めたといえる。政府が立憲制下でも政党政治を否認する超然主義の立場をとり御用政党の育成をやめたことをうけて,83年9月解党した。
執筆者:阿部 恒久
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