自然災害発生時で公共交通機関がまひした際に、自宅が遠距離にあって帰宅できない人。路上などにあふれると、災害救助活動が遅れたり、集団転倒や火災に巻き込まれたりする恐れがある。内閣府の推計によると、2011年の東日本大震災では首都圏で約515万人発生。国は首都直下地震など、大地震が都市部で起きた場合、原則3日間は「むやみに移動を開始しない」ことを呼びかけ、自治体に対し「一時滞在施設」として公共施設や民間施設を確保するよう求めている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
大地震、台風、集中豪雨などで大都市の交通機関が麻痺(まひ)したため、自宅に帰ることが困難になった人。帰宅難民ともいう。被災当日、自宅へ帰れなくなる「帰宅断念者」と、遠距離を歩いて帰らねばならない「遠距離徒歩帰宅者」がある。内閣府中央防災会議は、帰宅距離が10キロメートル以上になると帰宅困難者が生じ、20キロメートル以上では全員が帰宅困難者になると想定し、首都直下地震が発生した際には、東京都周辺で約650万人が帰宅困難者になると推計している。
実際、東日本大震災が発生した2011年(平成23)3月11日夕方から深夜にかけ、都心周辺のほとんどの公共交通機関が一時運休し、道路はマイカーやタクシーで大渋滞したため、東京都、神奈川、千葉、埼玉、茨城県南部で大量の帰宅困難者が発生した。中央防災会議は帰宅困難者が約515万人にのぼったと推計している。政府は2012年の通常国会で、1日の平均利用者が100万人を超えるような全国の大規模ターミナル駅のある自治体に、帰宅困難者支援の対策を盛り込んだ防災計画づくりを義務づけるために、都市再生特別措置法を改正した。具体的には、駅や駅周辺の商業施設、ホテル、学校、公共施設などに、避難場所や食料・水、緊急電源の確保、トイレや案内標識の整備、交通機関や危険箇所の情報提供などを求める。また東京都は2012年3月に、帰宅困難者の大量発生による混乱を避ける目的で、都内の民間企業に食料や水、毛布などの備蓄を義務づけ、一斉帰宅を抑制する「帰宅困難者対策条例」を制定した。
[編集部]
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