平手造酒(読み)ヒラテミキ

改訂新版 世界大百科事典 「平手造酒」の意味・わかりやすい解説

平手造酒 (ひらてみき)
生没年:?-1844(弘化1)

江戸後期の博徒用心棒。出身などはいっさい不明である。江戸の神田お玉ヶ池の千葉道場の俊英であったが破門され,田舎回りの剣術指南で歩く浪々の身となった。下総笹川で博徒の親分繁蔵と知り合い,その客分となり,大利根河原の決闘で斬り結ぶうち全身に傷を負い,後に死んだ。この平手造酒のイメージは,講談,浪曲の《天保水滸伝》で作られたものである。実名平田深喜という。一説によると,笹川繁蔵は平田を飯岡助五郎方のスパイと疑い,出入りの直前に刀を取りあげてしまったので,平田はやむをえず,やくざ物の脇差で戦ったが,すぐに鍔元より折れ,11ヵ所の切傷を受け落命したという。37~38歳ごろであった。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「平手造酒」の解説

平手造酒 ひらて-みき

講談・浪曲の「天保水滸伝(すいこでん)」の登場人物。
江戸時代後期の剣術家。千葉周作の門下。酒がもとで破門され,胸の病におかされながら下総(しもうさ)で博徒の親分笹川繁蔵の用心棒となる。天保15年飯岡(いいおか)助五郎一家との大利根河原(おおとねがわら)の決闘で奮戦,重傷を負って死ぬ。平田深喜(みき)という実在人物がモデル。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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