身体が弱っていく自然な状態を経て平穏に最期を遂げるという、死の迎え方。高齢者が老衰、認知症の終末期、その他の病気の末期的な状態に陥り、助かる見込みもなく、ついに自分の力で食べることや飲むことができなくなったとき、一般に行われる常識的な治療や胃瘻(いろう)などによる人工的な水分・栄養補給をすることなく、身体の自然な状態のままに死んでいくことを意味する。人が死を迎えるまぎわの身体においては、必要なエネルギーはきわめてわずかで、飢餓や脱水に近い状態にあっても、空腹を感じたり、のどが渇くような苦痛はない。そのため、むりに医療的措置を行わない方がむしろ安らかに死を迎えられる場合があるという見解がある。
特別養護老人ホームの医師、石飛幸三(いしとびこうぞう)(1935― )が2010年(平成22)2月に出版した著書『「平穏死」のすすめ――口から食べられなくなったらどうしますか』(講談社)のタイトルから広がったことばである。患者が自らの意志で延命治療を中止し、人間の尊厳を維持した状態で死を迎える尊厳死の場合と同様に、現代の看取(みと)りの現場では、家族や医療関係者らの看取る側が、医療的措置を何もしないで患者を見送ることができるかという課題でもある。
[編集部]
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