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胃瘻 イロウ

3件 の用語解説(胃瘻の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

い‐ろう〔ヰ‐〕【胃×瘻】

瘻孔(ろうこう)の一。胃と体表などが穴(瘻孔)でつながっている状態。また、口などからの食物・水分の補給が困難な場合、胃壁と腹壁に穴をあけてチューブを取り付け、外から直接胃に栄養剤などを注入する治療法。PEG(percutaneous endoscopic gastrostomy)。経皮内視鏡的胃瘻造設術。

出典|小学館
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大辞林 第三版の解説

いろう【胃瘻】

瘻管ろうかんの一。胃を体外に交通させるため、手術によって腹部外側から管を入れてつくった導管。各種疾患などにより食物を飲み下すことが困難になった嚥下えんげ障害の患者などに対し、腹部の外側から管を通じて胃の内部に栄養や水分を送り込むために用いる。 PEG (経皮内視鏡的胃瘻造設術)などにより造設。 → PEG ( ABC 略語)

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胃瘻
いろう

口から飲食できなくなった人に、誤えん防止などのため口以外の場所から胃に栄養分を入れる人工的栄養補給法。認知症や脳血管障害で摂食が困難になった人、神経筋疾患で物を飲み込めなくなった人、食道や胃噴門部に狭窄(きょうさく)がある人などが対象となる。この処理を行う手術を胃瘻造設術といい、現在、標準的に行われている方法はPEG(ペグPercutaneous Endoscopic Gastrostomy経皮内視鏡的胃瘻造設術)である。腹部の表面と胃壁に小さな穴(直径5~6ミリメートル程度)を開けて管(カテーテル)を通す。1979年にアメリカで開発され、患者の負担が少なく管理が容易であることから普及した。日本では約40万人が利用していると推定されている。
 医師の指導を受けた家族らが胃瘻を利用することで、病院や老人施設だけでなく自宅でもゆっくり栄養補給できる利点がある。胃瘻は管が抜けないよう、腹部の表面を留める外部ストッパーと胃の内側を留める内部ストッパーで固定する仕組みをとる。外部ストッパーには、患者が動きやすい「ボタン型」と栄養管につなぎやすい「チューブ型」、内部ストッパーには、交換が容易な「バルーン型」と長期間使える「バンパー型」の合計4種類がある。器具は汚染や劣化を防ぐため4か月から半年ごとに交換する必要がある。厚生労働省研究班の認知症患者を対象とした調査(2006年~2008年、対象1353人)では、胃瘻により適切な栄養摂取をすることで体力が戻り、患者の2割で食べる機能が回復したという。ただ胃瘻には、胃瘻の周辺に潰瘍(かいよう)やただれができやすく患者に負担や苦痛を与えるうえ、終末期の患者に行うことは人工的な延命処置につながりかねないとの批判がある。日本老年医学会などは認知症高齢者への胃瘻導入に関する指針づくりに取り組んでいる。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の胃瘻の言及

【中心静脈栄養】より

…生体に栄養を補給する経路には,(1)口から飲食する,(2)胃または小腸に人工的に作った瘻孔(ろうこう)(胃瘻または腸瘻)に体外から管を挿入し,この管から栄養液を注入する,(3)血管内に挿入した管から栄養液を注入する,(4)肛門から栄養液を浣腸し,直腸で吸収させる,などの方法がある。中心静脈栄養はこの(3)に属するもので,末梢の静脈から心臓に近い静脈(中心静脈,上大静脈や下大静脈の心臓に近い部分)まで長い管を挿入し,栄養液を無菌的に注入する方法である。…

※「胃瘻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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