根治や回復の望めない終末期の患者に、できるかぎり生命を維持し延命を図ろうとする治療。具体的には、人工呼吸器などの生命維持装置を使用する、輸液や点滴により栄養を確保する、あるいは胃瘻(いろう)造設により直接的に消化器に必要な栄養を送り込む、などの処置を施す。延命医療ともいう。現行の医療は、救命処置を重視し、患者を少しでも生かし続ける方向に目標が定められている。そのため、医療技術の進歩に伴う生命維持装置の開発などにより、意思疎通すらできない状態となっても生命だけは維持することが可能になった。反面、そのような状態でも生き続けることの意味を問い直す議論も起こり、その人らしい生活(クオリティ・オブ・ライフ)をおくる権利や死ぬ権利、尊厳死、安楽死などについて、多くの議論が重ねられている。
こうした流れのなかで、自分の終末期医療に関して、生命維持装置の拒否や、行ってほしい疼痛(とうつう)への緩和ケアなどについて、判断力のあるうちにリビング・ウィル(尊厳死の宣言書)として意思表示しておくという考え方も芽生えている。また、患者が終末期に希望する治療について自身が記載したものを病院が保管し、本人が判断できなくなった終末期に家族や担当医師に提示し、本人の意思にそった治療を行う取り組みなども始まっている。
[編集部]
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