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尊厳死 そんげんし death with dignity

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

尊厳死
そんげんし
death with dignity

過剰な医療を避け,尊厳をもって迎える自然な死。医療技術の進歩により重症患者でも呼吸や栄養補給,痛みを管理できるようになり,疾病によっては死にいたる過程を人工的に引き延ばすことができるようになったことをうけて議論されるようになった。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

尊厳死

尊厳死は過剰な延命措置をせず、人間の尊厳を保ちながら命を終えること。日本尊厳死協会では、意識喪失後も、人工呼吸器などでの強制的延命を拒否する、生前の意思表示(リビングウィル)を登録、尊厳死法の制定を求める運動をしている。一方、安楽死は患者の求めで、消極的には医師が必要な治療を控え、積極的には薬で死なせたりする行為である。オランダなど一部の国、地域では認められている。日本では1995年に横浜地裁が、回復不能で本人の意思が強く、痛み治療もできないなどの条件で安楽死が認められるとしたが、神奈川、京都、北海道、富山など各地でその条件以前の安楽死事件が起きている。

(田辺功 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

尊厳死

日本尊厳死協会は、「患者が『不治かつ末期』になったとき、自分の意思で延命治療をやめてもらい安らかに、人間らしい死をとげること」と定義している。「尊厳死の宣言書」(リビングウイル)を医師に提示し、自然な死をとげる権利を確立するため、医師が違法性を問われないための法制化を求めている。記載内容は、「無意味な延命措置の拒否」「苦痛を和らげる治療の要求」「植物状態の場合、生命維持措置の中止」。

(2006-03-27 朝日新聞 朝刊 1社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

そんげん‐し【尊厳死】

人間としての尊厳を保ったままで命をまっとうすること。回復の見込みのない状態や苦痛のひどい状態の際に生命維持装置を無制限に使わないなどの対応がなされる。

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百科事典マイペディアの解説

尊厳死【そんげんし】

本人が事前に自らの意志で単なる延命のための治療を拒否すること。医師が介入して薬などで人為的に死を迎えさせる積極的安楽死とは異なるものと考えられている。日本では積極的安楽死に対しては否定的な医師が多いが,米国では積極的安楽死や自殺を含めた死ぬ権利を認めるべきだという主張も出ている。
→関連項目クオリティ・オブ・ライフリビングウィル

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大辞林 第三版の解説

そんげんし【尊厳死】

助かる見込みの全くないままに長期間にわたって植物状態が続いたり、激しい苦痛に悩まされ続けている患者に対し、生命維持装置などによる人為的な延命を中止し、人間としての尊厳を維持したまま死を迎えさせること。 → 安楽死

出典|三省堂
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知恵蔵miniの解説

尊厳死

患った病気が不治かつ末期と考えられる場合に、人間としての尊厳をもって、過剰な医療を避け自分で死を選ぶこと、及びそのようにして達成された死のこと。延命措置を行わない意志を示し自然に死を迎えるものと、致死性の薬物を摂取し自ら死ぬものとがある。多くの場合、尊厳死を実行する条件(「意識不明になった時」「判断能力が著しく欠ける状態になった時」など)を、あらかじめ文書などで自ら示しておき、その条件に至った場合に死に至るための処置が医師などにより行われるが、家族の求めにより行われる場合や、本人が明確な意志を保ちつつ自ら死ぬ場合もある。1976年、永続的植物状態となったカレン・クィンランに対し米国の裁判所が「尊厳をもって死ぬ権利」を容認し、以後、スイス・オランダ・米国のオレゴン州ワシントン州などで尊厳死・安楽死が認められるようになった。日本では76年に安楽死協会が設立され、2010年一般社団法人日本尊厳死協会となり啓発に努めている。14年11月1日には、末期の脳腫瘍を患った米国の女性が尊厳死を選択しオレゴン州に移住、自宅で医師から処方された薬を飲んで死去した。

(2014-11-6)

出典|(株)朝日新聞出版発行
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

尊厳死
そんげんし

「必要以上の延命治療を受けず、人間らしい最後を全うしよう」という考え方にたって、回復の見込みのない時点での人工呼吸装置など機械的な延命工作を、あくまでも本人の意志に基づいて辞退、結果的に死を選ぶことをいう。こうした考え方が生まれた背景には、驚異的に発達した現在の医療技術がある。かつてなら死亡していたはずの重症患者が、機械によってただ生かされているに過ぎないという状態もしばしば出現するようになった。
 日本では1976年(昭和51)から日本尊厳死協会(当時の名称は日本安楽死協会。本部は東京都文京区)が、市民運動的な活動を続けてきた。「死期を人工的に引き延ばすための措置の拒否」「植物状態での生命維持措置を拒否」「苦痛を和らげるための麻薬使用などは認める」などを唱えている。ただしこうした措置を医療側にとらせるためには、それが間違いなく本人の意志だと知らしめるものが必要になる。そこで考え出されたのが「リビング・ウィル」である。「生前発効の遺言」とでも訳すべきもので、患者本人の意志、判断力が正常なときに、尊厳死を望むことを本人の直筆で署名を添えて同協会へ登録しておくのである。2003年(平成15)時点の登録者は10万3150人。アメリカではほとんどの州でリビング・ウィルを法制化している。[高三啓輔]

安楽死の条件

尊厳死と似たような考え方に、安楽死がある。尊厳死も大きな意味では安楽死のなかの一つだとされるが、日本で安楽死にからんで裁判に持ち込まれた例の一つに、1991年、東海大学医学部付属病院で「家族の要請を受けた」とする医師が末期患者に塩化カリウムを注射して死亡させた事件がある。この裁判で、横浜地裁は95年3月、殺人罪に問われた医師に対して懲役2年執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。その際「医師による延命中止の要件」として積極的安楽死が許されるための四つの要件を示し、死期が迫った患者の自己決定権を重視する立場から、法の場ではじめて、「死の迎え方を選ぶ権利」を認めた。
 オランダでは2001年4月に国家として世界で初めて安楽死を容認する法案が成立した。翌02年5月にはベルギーでも成立している。[高三啓輔]
『星野一正著『わたしの生命はだれのもの』(1996・大蔵省印刷局) ▽ヘルガ・クーゼ編、吉田純子訳『尊厳死を選んだ人びと』(1996・講談社) ▽中山研一著『安楽死と尊厳死』(2000・成文堂) ▽市野川容孝編『生命倫理とは何か』(2002・平凡社) ▽立山龍彦著『自己決定権と死ぬ権利 新版』(2002・東海大学出版会) ▽福本博文著『リビング・ウィルと尊厳死』(集英社新書)』

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世界大百科事典内の尊厳死の言及

【安楽死】より

…これによると,積極的安楽死はつねに違法であるが,そのような行為に出た者を非難することができないと認められる場合には,その刑事責任が例外的に否定されることはありうる。
[尊厳死]
 安楽死の目的が病者を苦痛から解放するところにあるのに対して,病者に人間としての尊厳を保持させることを目的とするのが尊厳死death with dignityあるいは自然死natural deathである。これは,回復の見込みのない病者に無益な延命措置を継続することをやめ,自然な死を迎えさせる行為であり,延命のための積極的な医療をほどこさないという点では,前述の不作為による安楽死と類似した概念である。…

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