年鑑(読み)ネンカン

世界大百科事典 第2版の解説

ねんかん【年鑑 almanac】

社会全般または特定分野の1年間のできごとを記録,解説した年刊形式の便覧で,将来の研究調査の便に資することを目的とする。政府機関や学会では〈年報〉ということもある。年鑑の起源はイギリスやスカンジナビア諸国で中世まで用いられた原始的な棒暦clog almanacである。これは短冊形の木片に日月星辰の運行を記したものであった。航海者には,航海暦nautical almanacが必須のものであった。イヤーブックという書名が最初に用いられたのはイギリスの《法律年鑑The English Legal Year Books》で,1292‐1534年までの判例を収録している。

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大辞林 第三版の解説

ねんかん【年鑑】

ある分野の一年間の出来事・統計などを収録・解説した、年刊の刊行物。イヤーブック。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

年鑑
ねんかん
year bookalmanacannual

ある特定の地域や分野について、最新のできごと、動向や統計などを内容とし、毎年あるいは1、2年おきに刊行される出版物。年報、年表ともいう。年鑑には『読売年鑑』(読売新聞社編)など、ある国を中心として政治、経済、社会、文化などを網羅する「総合年鑑」と、『出版年鑑』(出版ニュース社編)、『宗教年鑑』(文化庁編)、『貿易年鑑』(日本関税協会編)、『理科年表』(国立天文台編)など、特定の分野についての「専門年鑑」がある。また、『ブリタニカ・ブック・オブ・ザ・イヤー』『アメリカーナ・アニュアル』など、既刊の百科事典を補う「百科年鑑」もある。いずれも記録性と資料性を重視している。
 年鑑の起源は、古代バビロニアの天文学にさかのぼることができる。1457年には、ヨーロッパで初めて印刷された年鑑が刊行された。今日まで刊行されている最古の年鑑は、1758年にイギリスで創刊された『アニュアル・レジスター』である。日本では1876年(明治9)発行の『万国年鑑』(統計寮訳)がもっとも古く、ついで『日本帝国統計年鑑』(1882。『日本統計年鑑』の前身)、『時事年鑑』(1917)などが刊行された。国際的には国際連合発行の『世界統計年鑑』『世界人口年鑑』、イギリスの『ホイッテーカー・アルマナック』『ステーツマンズ・イヤーブック』、アメリカの『ワールド・アルマナック・アンド・ブック・オブ・ファクツ』、ドイツの『フィッシャー世界年鑑』、フランスの『キドquid』、中国の『中華人民共和国(中国)年鑑』、韓国の『東亜年鑑』『連合年鑑』などが有名である。なお、現在ではオンラインで提供される年鑑もある。[川井良介]

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図書館情報学用語辞典の解説

年鑑

過去1年間に生じた変化を簡潔に記述し,統計や名簿などを添え,特有の形式で掲載する年刊の逐次刊行物で,レファレンスブックの一種.以下のような種類がある.〈1〉総合年鑑:その国を中心として政治,経済,産業,社会文化全般を扱う.同様に都道府県別に各地方を扱う「地方年鑑」や海外全般を扱う「世界年鑑」,個別の国を扱うもの(例:『中国年鑑』)もある.〈2〉専門年鑑:主題や産業分野ごとに編集され,領域によって名簿中心のもの,書誌中心のものなどがある.〈3〉百科事典年鑑:大規模な百科事典は容易に改訂できないので,逐年の補遺として,新項目の追加や変化する重要項目の変動を年鑑形式で補うもの.〈4〉統計年鑑:統計情報を主体とした年鑑で,地域や分野を限定したものもある.1年間単位であるため,1月から12月までを対象とする暦年編集が利用上便利だが,必ずしもそうなってはいない.

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精選版 日本国語大辞典の解説

ねん‐かん【年鑑】

〘名〙 (year book の訳語) 一定の項目・分野などに関する一年間の出来事・統計・調査などをまとめ、解説を加えた年一回の定期刊行物。イヤーブック。
※太陽‐明治三〇年(1897)二月二〇日号・我邦現時の四大政治家〈八面玲瓏生〉「大隈は車中に於ても統計年鑑を手にすと」
[補注]日本で西欧のイヤーブックにならって作られた「万国年鑑」(一八七六)では書名に「年鑑」の語が使われている。

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