庁官(読み)チョウガン

デジタル大辞泉 「庁官」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐がん〔チヤウグワン〕【庁官】

院の庁女院の庁・後院の庁などの主典代しゅてんだい以上の役職者を除く一般職員。六位相当。
親王家家司の一。また、東宮坊の下級事務職員にもいう。
国衙こくが役人在庁官人在庁
検非違使けびいし官人

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精選版 日本国語大辞典 「庁官」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐がん チャウグヮン【庁官】

〘名〙
① 院の庁、女院の庁、後院の庁などの主典以上の役職者を除く一般職員で、召次所などの諸部局に分属しないもの。六位相当。
※中右記‐元永元年(1118)八月一二日「次参院、〈略〉仰云〈略〉但彼時遣阿波国庁官を相尋て可子細也」
② 親王家の家司の一つ。勅別当・侍者御監下位にある一般職員。また、まれに春宮坊の下級事務職員にもいう。
御堂関白記‐寛弘七年(1010)一二月二日「東宮渡給東院、宮所々賜祿、〈略〉庁官・所衆・刀帯・女官疋絹
諸国国司の役所である国衙の役人。在庁官人。在庁。
東大寺文書‐天喜三年(1055)一〇月九日・伊賀守小野守経請文「去五月上旬之比、為彼日証人、在庁官等可召進之由、検非違使庁使苛酷、宛如罪科輩〈略〉同六月中旬、差定庁官七人喚、応其召了後」
④ 検非違使庁(けびいしちょう)の官人。
※宇治拾遺(1221頃)一四「刑部録といふちゃうくん、びんひげに白髪まじりたるが」

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世界大百科事典(旧版)内の庁官の言及

【在庁官人】より

…平安後期から鎌倉時代にかけて諸国国衙(こくが)の実質的運営を担った下級の役人。在庁とはそもそも国府(国衙)などの官庁に在勤すること,あるいはその在勤者を指す用語であり,在庁官人は単に在庁もしくは庁官などと称することもあった。《今昔物語集》に〈守に此の由を申しければ忽(たちま)ちに在庁の官人を召して,蔵を開けさせて見れば……〉と見える例をはじめ,当該期の地方行政の運営者としての彼らの活動を示す史料は少なくない。…

※「庁官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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