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広中平祐 ひろなかへいすけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

広中平祐
ひろなかへいすけ

[生]1931.4.9. 山口
数学者。京都大学理学部数学科を卒業 (1954) ,大学院在学中の 1957年アメリカのハーバード大学に転じ,コロンビア大学教授 (64) ,ハーバード大学教授になる (68) 。 75年には京都大学教授も兼任したがのち辞任。代数多様体では,特異点と呼ばれるやっかいな点がしばしば出てくるので,それを特異点のない形に変換することが要求されてきた。どんな次元でも解ける一般解は,代数幾何学における 19世紀以来の懸案であったが,62年 31歳の広中は,突如この「特異点解消の問題」を,70年には解析多様体についても解決した。これらの業績により,67年朝日文化賞,70年日本学士院賞に続いて,数学におけるノーベル賞といわれるフィールズ賞を受け,75年には文化勲章を受章した。

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百科事典マイペディアの解説

広中平祐【ひろなかへいすけ】

数学者。山口県出身。1954年京大卒,1956年ハーバード大に留学,1968年同大教授,1976年京大教授。1996年山口大学学長。1962年〈代数多様体の特異点の解消および解析多様体の特異点の解消〉を発表し,4次元以上の一般解(3次元までの解は1944年にわかっていた)を与えた。この業績により1970年フィールズ賞を受賞。1975年文化勲章。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

広中平祐 ひろなか-へいすけ

1931- 昭和後期-平成時代の数学者。
昭和6年4月9日生まれ。妻は広中和歌子。昭和39年コロンビア大教授,43年ハーバード大教授となり,50年母校京大の教授。平成8年山口大学長。代数的多様体の研究で,昭和45年学士院賞。複素多様体の特異点に関する研究で,同年フィールズ賞。50年文化勲章。平成16年フランスのレジオン-ドヌール勲章。山口県出身。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひろなかへいすけ【広中平祐】

1931(昭和6)‐
数学者。山口県玖珂郡由宇町に生まれる。1954年京都大学理学部数学科卒業。57年秋,京都大学大学院理学研究科を退学してアメリカに留学。60年ハーバード大学大学院数学科を修了後,フランス高級科学研究所研究員,アメリカ・ブランダイス大学準教授,コロンビア大学教授を経て,68年ハーバード大学教授,76年京都大学教授となる。数学における業績は幅広いが,そのもっとも著しいものは多様体variety(代数的多様体,実および複素解析的多様体)の特異点解消問題の解決である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

広中平祐
ひろなかへいすけ
(1931― )

数学者。山口県玖珂(くが)郡由宇(ゆう)町(現、岩国市)生まれ。15人の兄弟姉妹のなかで成長する。1954年(昭和29)京都大学理学部数学科を卒業後、同大学大学院に進学、秋月康夫(1902―1984)の研究室で代数幾何学の研究を始める。1956年に来日した代数幾何学の大家ザリスキーOscar Zariski(1899―1986)から強い影響を受け、1957年秋ハーバード大学に留学、マンフォードDavid Mumford(1937― )、アルティンMichael Artin(1934― )ら俊才がひしめくザリスキーのもとで代数多様体の特異点解消に関する研究を進める。1960年博士号を取得後、ブランダイス大学準教授、1964年コロンビア大学教授を経て、1968年ハーバード大学教授となる。ザリスキーが三次元の場合を解決(1950)して以来、大きな進展がなかった特異点解消の問題を、1962年に標数0の代数多様体について、1970年に一般の複素多様体について、それぞれ解決した。これらの業績により朝日賞(1967)、日本学士院賞(1970)を受賞、さらに1970年にはフィールズ賞を受賞した(日本人では小平邦彦(こだいらくにひこ)に次いで2人目)。1975年文化勲章受章、1976年日本学士院会員。1975年より京都大学数理解析研究所教授を兼任する。また、数理科学者育成事業をおこし、財団法人数理科学振興会を設立するなど、日本の若手研究者の育成にも力を注いだ。1996~2002年山口大学学長。1999年サイトウ・キネン財団理事長に就任。京都大学・ハーバード大学名誉教授。2004年レジオン・ドヌール勲章(シュバリエ)受章。夫人の広中和歌子は元参議院議員、元環境庁長官。著書として『学問の発見』(1982)などがある。[亀井哲治郎]
『広中平祐・卜部東介著『解析空間入門』(1981・朝倉書店) ▽『学問の発見』(1982・佼成出版社/改題改訂版『生きること学ぶこと』・集英社文庫) ▽広中平祐他編『現代数理科学事典』(1991・大阪書籍、丸善発売/第2版、2009・丸善)』

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