座役(読み)ザヤク

デジタル大辞泉 「座役」の意味・読み・例文・類語

ざ‐やく【座役】

中世、商工業者のに対して、幕府領主などの本所が課した課役

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精選版 日本国語大辞典 「座役」の意味・読み・例文・類語

ざ‐やく【座役】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 寺院村落などの自律的な集団に所属する者が、その集団の行事などのため、構成員として果たさなければならない役目。また、その人。〔青蓮院吉水蔵菩薩釈義紙背文書‐寛治六年(1092)九月三日・山城国八瀬刀祢乙犬丸解〕
  3. 中世、商工業者の座の構成員に対して、その本所である幕府・領主・守護社寺などが課した課役。〔大乗院寺社雑事記‐長祿三年(1459)二月一五日〕

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「座役」の解説

座役
ざやく

中世の諸座が本所からうける商業上の特権の保護に対し,勤める夫役(ぶやく)や納める現物または代銭(座銭)。大和国の諸座は興福寺の寄人(よりうど)や春日社の神人(じにん)となり,販売の独占権や課役免除など,うけた保護に対し役を負担した。室町時代には,座役の徴収者はしだいに門跡・学侶らから衆徒(しゅと)・国民(こくみん)まで重層的になり,衆徒・国民の被官化が進むと寺家などの手から離れていった。座役は現実的な支配権の力関係に影響された。のちしだいに現物から代銭(座銭)・代物納にかわっていく。

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