延拍子(読み)ノベビョウシ

デジタル大辞泉 「延拍子」の意味・読み・例文・類語

のべ‐びょうし〔‐ビヤウシ〕【延(べ)拍子】

雅楽リズムのとり方の一。8拍を一単位とするもので、早拍子よりもテンポがゆったりしている。→早拍子

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精選版 日本国語大辞典 「延拍子」の意味・読み・例文・類語

のべ‐びょうし‥ビャウシ【延拍子】

  1. 〘 名詞 〙 雅楽の楽の標記に用いられる記号で、早拍子の曲に比べ拍子のとり方がのびやかで旋律の動きに重みがあるとり方。たとえば万歳楽。延拍子には八拍子四拍子延只拍子などがある。
    1. [初出の実例]「凡延拍子之文者、大抵皆当于詞復」(出典楽家録(1690)一〇)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「延拍子」の意味・わかりやすい解説

延拍子
のべびょうし

雅楽理論用語。「早拍子」に対する。唐楽のリズムの一種で,管弦においては洋楽の4分の8拍子,舞楽においては洋楽の2分の4拍子に相当する。規準になる音符の音価は早拍子の2倍であるが,テンポもそれだけ遅くなるというものではなく,フレージング (フレーズの切り方) の違いだともいえる。『万歳楽』『春庭楽』などが延拍子の曲で,吹物譜では,唱歌の大きいカナが一小節に4個入る。延拍子は,シンコペーション風な旋律進行を特徴とし,篳篥 (ひちりき) や竜笛 (りゅうてき) は,強弱のなだらかな変化やブレスの変化などによって,優雅な味わいを強調して奏する。

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