ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「建部清庵」の意味・わかりやすい解説
建部清庵
たけべせいあん
[没]天明2(1782).3.8. 一ノ関
江戸時代中期の医師。享保 15 (1730) 年,江戸で小松寿哲に外科を学ぶ。かねてから紅毛外科に関心をもっていたので,それに対する疑問と意見を書きとめ,明和7 (70) 年に衣関甫軒に託したところ,甫軒はそれを杉田玄白に渡し,玄白と清庵との間で書簡をもって問答が行われた。それがのちに『和蘭医事問答』と題して出版された。この問答が契機で清庵の長子由水と門人の大槻玄沢が杉田玄白に入門,また清庵の5男亮策が玄白の養子となり,伯元と称した。清庵の著書に『民間備荒録』『備荒草木図』がある。
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