弓八幡(読み)ユミヤワタ

世界大百科事典 第2版の解説

ゆみやわた【弓八幡】

能の曲名。脇能神物。世阿弥作。シテは高良神(かわらのしん)の神霊。後宇多院の廷臣(ワキ)が,勅命で男山八幡(おとこやまはちまん)の初卯(はつう)の祭に赴くと,弓袋を携えた老人(前ジテ)が若者(ツレ)を連れてやってきて,これは帝への捧げ物だという。そして,神代には桑の弓と蓬(よもぎ)の矢で天下を治めたというが,今は泰平の世なので袋に納めて捧げるのだと説明する。老人はなお,応神天皇を祭った男山八幡の縁起を物語り(〈クセ〉),自分はその末社の高良神であると名のって消え失せる。

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大辞林 第三版の解説

ゆみやわた【弓八幡】

能の一。世阿弥作。脇能物。山城国男山八幡宮に参詣した後宇多院の臣下の前に老翁が現れ、男山八幡の縁起と神功皇后の三韓征伐のことを語って消え失せる。やがて八幡の末社である高良こうらの神が影向ようごうし、舞を舞って御代をたたえる。

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