デジタル大辞泉 「弗」の意味・読み・例文・類語 ドル 《〈オランダ〉dollarから》1 米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポールなどの通貨単位。通常、米国のドルをさす。1ドルは100セント。記号は$。ダラー。2 金銭。お金。「ドル箱」[補説]「弗」とも書く。 ふつ【弗】[漢字項目] [音]フツ(漢) [訓]ドル〈フツ〉元素の名。弗素。「弗化」〈ドル〉米国などの貨幣単位。「弗箱ドルばこ」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「弗」の意味・読み・例文・類語 ドル【弗】 〘 名詞 〙 ( 「ドルラル」の略 ) アメリカ、カナダ、オーストラリア、シンガポールなどの貨幣単位。ふつうは国際決済通貨として最も多く利用されているアメリカのドル(米ドル)をさす。記号$ ドルラル。ダラー。[初出の実例]「日本国魯西亜国追加条約〈略〉第十二条〈略〉伊斯巴尼亜の一『ドル』は、和蘭銀貨二『フロリン』半」(出典:幕末御触書集成‐三・安政四年(1857)九月七日)弗の補助注記江戸末期から「ドルラル」とともに用いられ、「員」「元」「洋銀」などの漢字を当てたが、明治以降は「弗」の字が多く用いられた。なお、「弗」はドルの記号「$」に似ているところから当てたもの。 ダラー【弗】 〘 名詞 〙 ( [アメリカ] dollar ) ⇒ドル 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「弗」の読み・字形・画数・意味 弗5画 [字音] フツ・ヒツ[字訓] もとる・はらう・あらず[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 象形縦の木二三本をつかね、縄でまきつけた形。曲直のあるものを強くたばねることをいう。〔説文〕十二下に「(もと)るなり」とし、の省文に従って丿(へつ)・(ふつ)する意であるとするが、字はとは関係がなく、枝をまげて強くたばねるので「払戻(ふつれい)」の意があり、拂(払)の初文とみてよい。〔詩、大雅、生民〕「以て子無きを弗(はら)ふ」は祓去の意。不・勿(ふつ)などと同じく否定詞に用いるのは仮借。金文の〔叔夷(しゆくいはく)〕に「敢て戒(けいかい)し、乃(そ)の司事を虔(けんじゆつ)せ弗(ず)んば不(あら)ず」「休命に對揚せ不(ず)んば弗(あら)ず」のように用いる。[訓義]1. もとる、ねじる。2. おさめる、はらう、きよめる。3. のぞく、さる、とる。4. 怫(ふつ)と通じ、うれえる。5. 仏と通じ、ほのか、にかよう。6. 不・勿と通じ、ず、あらず、なし。7. 弼(ひつ)と通じ、たすける。[古辞書の訓]〔名義抄〕弗 セズ・マジ・ザル・アラズ・モトル・タガフ・タチマチ・ヲサム 〔字鏡集〕弗 ヲサム・タチマチ・モトル・アラハス・タガフ・ナシ・シム・ハシ・セズ[声系]〔説文〕に弗声として費・佛(仏)・髴・・怫・沸・など二十字を収める。(ふつ)はもつれる意。おおむね内から外にあらわれ出る感情や力、また、ほのかな状態のものをいう形況の語。非・弗の意をもつものが多い。[語系]弗piutは不・否piuと声近く、否定詞に用いる。否定詞にはなお非・勿・無・(亡)・・(微)・蔑などを用いるが、本来の否定詞というべきものはない。は屍骨、は暮夜、・蔑(べつ)は媚(巫女)を殺してその呪力を微(な)くする形で、いくらか否定的な意味がある語である。弗も束ねてもとらす意である。[熟語]弗鬱▶・弗学▶・弗乎▶・弗康▶・弗叔▶・弗祥▶・弗是▶・弗庭▶・弗靡▶・弗弗▶・弗与▶・弗予▶[下接語]黜弗・弗 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報