(読み)ゲン

デジタル大辞泉 「彦」の意味・読み・例文・類語

げん【彦】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ゲン(呉)(漢) [訓]ひこ
容姿や才に秀でた男子。「俊彦諸彦
[名のり]お・さと・ひろ・やす・よし

ひ‐こ【×彦】

《「日子」の意》男子の美称。多く、男子の名前につけて用いる。「天稚あめわか」「海幸」⇔

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精選版 日本国語大辞典 「彦」の意味・読み・例文・類語

ひ‐こ【彦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「日子」の意 ) 男子の美称。古代では「姫(ひめ)」に対して、男性一般を表わし、多く男子の名前の下に付けて用いる。「海幸彦(うみさちひこ)

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普及版 字通 「彦」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 9画

(旧字)
9画

[字音] ゲン
[字訓] ひこ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字はに作り、(文)+厂(かん)+彡(さん)。は文身の象、厂は額(ひたい)、彡は文彩を示す。額に美しい文身を加えることが、一定の年齢に達した男子の通過儀礼として行われ、その人をという。わが国の「ひこ」にあたる。〔説文〕九上に「美士、(文)り、人の言ふなり」とあり、・言の畳韻をもって説くが、言とは関係のない字である。

[訓義]
1. ひこ、成年に達した男子。通過儀礼として、額に朱などの文身を加えた人。
2. 才徳のすぐれた人。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 比々古(ひひこ) 〔名義抄 サトル・ヒコ・サカシ

[声系]
〔説文〕に声として・顏(顔)・(産)の三字を収める。はことわざ、すなわち呪的言語をいう。顏は成年の加入式に文身を加えた男子の顔。またそのような呪飾を加えた顔面をいう。声ではないが、出生のとき、額に呪飾として×などを加える生子儀礼。みな呪的な性格をもつ字である。

[熟語]
彦士彦聖彦哲
[下接語]
英彦・才彦・秀彦・俊彦・諸彦・文彦・邦彦髦彦

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「彦」の意味・わかりやすい解説


ひこ

男子の呼称で、姫(ひめ)の対。現代では男子の名前の下につけて「~彦」のように用いられることが多いが、上代では、「彦星」や「海幸彦」のように、上にも下にもついた形で現れ、上につく形が古いとされる。ただし、男子の意味で単独に用いられたかどうか確実な用例はなく、男神の名前についた形の例が多い。語源には諸説あるが、「日子(ひこ)」の義で、「ひ」は美称、「こ」は子供・子孫の意とするのが一般である。

[藁科勝之]

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【ヒメ・ヒコ制】より

…古代国家成立以前の兄弟姉妹(姫と彦)による二重支配体制をいう。血縁紐帯を基軸とした氏族社会で,同母の兄弟と姉妹は特に深く結ばれていた。…

※「彦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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