御灯(読み)ゴトウ

デジタル大辞泉 「御灯」の意味・読み・例文・類語

ご‐とう【御灯】

神仏貴人などの前にともす灯火。みあかし。
陰暦3月3日と9月3日天皇北辰北極星)に灯火をささげる儀式。また、その灯火。みとう
三月には三日の御節句、―、曲水の宴」〈太平記・二四〉

み‐とう【御灯】

ごとう(御灯)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御灯」の意味・読み・例文・類語

ご‐とう【御灯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神仏または貴人の前にともす灯火。みあかし。
    1. [初出の実例]「仏供、御とうなどもたえず」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)
  3. 平安以降、三月三日、九月三日に北辰(北極星)をまつる行事。また、そのとき捧げる灯火。天皇自ら精進潔斎(しょうじんけっさい)して行ない、庶民もならった。運勢を守り、不祥を退けると信じられた。《 季語・春‐秋 》
    1. [初出の実例]「御燈、廃務」(出典:日本紀略‐延喜一六年(916)三月三日)
    2. 「春の司召し、御燈などいふ事どもあれば、行幸は今夜かへらせ給」(出典:増鏡(1368‐76頃)一〇)

み‐とう【御灯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. 神仏または貴人の前にともす灯火を尊んでいう語。みあかし。ごとう。
    1. [初出の実例]「仏供・御とうなどもたえず」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)
  3. 平安時代以降、陰暦三月三日および九月三日に、天皇が北辰(北極星)をまつる行事。また、その時捧げる灯火。庶民もそれにならって行なった。ごとう。

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世界大百科事典(旧版)内の御灯の言及

【北極星】より

…密教の北辰北斗信仰はやがて日本にもたらされたが,東密では北辰を妙見菩薩,台密では尊星王と呼び,北斗法,妙見供,尊星王法などと称する修法を盛んに行って,国土安寧,玉体安穏を祈願した。宮中では,平安時代以後,元日の四方拝に際して天皇みずから北斗の神号を称え,北辰に向かって属星を拝し,毎年3月3日と9月3日の両日には北辰に灯を献ずる御灯,北辰祭を行った。また,陰陽寮では病気や天変地異に当たって北辰を祭る玄宮北極祭をしばしば行うなど,密教,道教の北辰北斗信仰に基づく行事が盛んであった。…

※「御灯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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