御父さん(読み)オトウサン

デジタル大辞泉 「御父さん」の意味・読み・例文・類語

お‐とう‐さん【御父さん】

子供が自分父親を呼ぶ語。また、子供にとって父親のこと。「おかあさん」とともに明治37年(1904)から使用した文部省「尋常小学読本」(国定教科書)に採用されてから、「おとっさん」に代わって普及した。「お父さん、お早う」「お父さんの小さいころの夢はどんなだった?」
第三者がその人の父親を親しみを込めて呼ぶ語。「会社の者ですが、お父さんはご在宅でしょうか」「先日、本屋で君のお父さんを見かけたよ」
子供のいる家庭で、家族が子供の父親を呼ぶ語。子供の視点に立って、母親が夫を、祖父母が息子をさして言う語。「お父さん、次の休日に子供と遊園地に出かけること忘れないでね」
子供をもつ男性を親しんで呼ぶ語。「お父さん、お子さんの進路についてどうお考えですか」「若いのにもうお父さんですか」
父親が自分をさして言う語。「お父さんに任せなさい」「お父さんの若いころはもっと我慢したもんだ」
(特に「お義父さん」と書く場合)配偶者や婚約者の父親のこと。
芸妓女郎が、置屋茶屋の男主人を敬って呼ぶ語。
[補説]第三者に対して自分の父親をいう場合、公の場や手紙文などでは「お父さん」ではなく、通常「父」を用いる。
[類語]パパ父上おやじ父親男親てててて親ちゃん父じゃ人乃父だいふ阿父あふ慈父

お‐とっ‐さん【父さん】

《「おととさま」の音変化》父を敬い、親しみをこめて呼んだ語。近世末期から、明治末期に「おとうさん」が一般化するまで、中流以上の家庭で用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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