循環系(読み)ジュンカンケイ

百科事典マイペディアの解説

循環系【じゅんかんけい】

身体の各部分に酸素栄養を供給し,二酸化炭素と老排物を除去するための器官系。下等無脊椎動物では特別な循環系はないが,高等脊椎動物では血管系が,脊椎動物では脈管系に当たる。脈管系は血管系とリンパ系からなり,血管系には心臓と血管が,リンパ系にはリンパ管リンパ節がある。両者胸管を介して連絡する。また,循環系は内分泌系による体の機能の調節にも重要な役割を果たしている。

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅんかんけい【循環系 circulatory system】

動物体のすべての細胞に,外界から取り入れた栄養素と酸素をあまねく分配する一方,そこに生じた老廃物炭酸ガスを,逆に外界に放出するためにもれなく回収する,そのような器官系をさす。都市構造にたとえると,給水用の上水道と排水用の下水道を合わせたようなものであるが,この給排水の施設が都市化とともにしだいに統合整備されてくるように,動物体内におけるこのような物質の分配・回収の営みも,体制進化にともなって一つの器官系で行われるようになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

循環系
じゅんかんけい

動物体内で体液(血液またはリンパ液)を循環させ、栄養やホルモンの配布、老廃物の排出、ガス交換などをする器官系のことで、脈管系ともいう。

 血液の循環系、すなわち血管系には、開放血管系と閉鎖血管系の2型がある。開放血管系には毛細血管がなく、血液は組織の間を流れ、組織液との区別がなく血(けつ)リンパとよばれる。この血管系は、節足動物、頭足類を除く軟体動物などがもつ。一方、閉鎖血管系は次の4型に分けられる。

(1)環形動物型循環系 血液を前方に送る背行血管と、後方に送る腹行血管が環状血管によって連絡されたものである。環形動物と紐形(ひもがた)動物にみられる。

(2)ナメクジウオ型循環系 腹側の腹大動脈によって血液は前方に送られ、咽頭(いんとう)側面の分岐した血管により背側に至って背大動脈により後方に向かう。腸で分岐した血管はいったん肝門脈に集まり、肝臓でふたたび分岐する。以上の二つが無脊椎(むせきつい)動物にみられ、脊椎動物の循環系には次の二つがみられる。

(3)えら呼吸型 1心房1心室の心臓から出た血液が1本の動脈によってえらに送られ、えらより直接全身に送られる。

(4)肺呼吸型 心臓を出て肺を通った血液がいったん心臓に戻り(肺循環または小循環)、ふたたび心臓を出て全身に送られる(体循環または大循環)。

 脊椎動物では、肝門脈系や腎(じん)門脈系などを含む血管系をもつほか、血液の血漿(けっしょう)が毛細血管壁から組織に浸出し、大静脈に合流するリンパ系とが分化している。

[村上 彰]


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精選版 日本国語大辞典の解説

じゅんかん‐けい ジュンクヮン‥【循環系】

〘名〙 すべての循環器によって構成される一連の管系。開放循環系と閉鎖循環系とに大別される。脊椎動物は閉鎖循環系で、血管系とリンパ系に区別される。栄養分やホルモンの運搬、ガス交換、老廃物の運搬と排出などを行なう。脈管系。

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世界大百科事典内の循環系の言及

【血管系】より

…動物の体制が複雑化するにつれ,体の内側に位置する細胞は,まわりをびっしり他の細胞に囲まれるため,酸素や栄養の供給,老廃物の排出などの面で著しく条件が悪くなる。この点を解決する手段の一つとして発達する機構が循環系で,体液を媒体として栄養物,代謝産物,酸素,二酸化炭素,体熱などを運搬している。酸素は細胞,ひいては1個体が生きていくために不可欠なものであるが,その取入れ方は単に体表面から拡散によって取り入れるものから,呼吸色素を担体とし循環系によってガス交換の場に運ばれるものまで,動物の進化段階に応じてさまざまな方式がとられる。…

※「循環系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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