リンパ管(読み)リンパカン(英語表記)lymphatic vessel
lymph duct

デジタル大辞泉 「リンパ管」の意味・読み・例文・類語

リンパ‐かん〔‐クワン〕【リンパ管】

リンパが流れる管。毛細リンパ管が集合してから、しだいに合流して太くなり、胸管と右リンパ本幹の2本となって静脈に注ぐ。構造は静脈に似る。

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精選版 日本国語大辞典 「リンパ管」の意味・読み・例文・類語

リンパ‐かん‥クヮン【淋巴管】

  1. 〘 名詞 〙 リンパ液を輸送する特有の脈管血管と同様に体内網状に広がり、その間にリンパ節がある。〔医語類聚(1872)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「リンパ管」の意味・わかりやすい解説

リンパ管 (リンパかん)
lymphatic vessel
lymph duct

リンパ系の構成要素で,血管系における血管にたとえることができる。その管の中をリンパ球とともに透明な体液,リンパ液が流れている。大部分哺乳類では,組織内で血管から滲出した組織間隙の体液は,1層の内皮細胞から成る薄い管壁の毛細リンパ管に入る。この毛細リンパ管は網目状をなしている。それらが集まり,しだいに太くなった各器官の輸出リンパ管は,順次集合してリンパ本幹(主幹)となり,静脈に合流する。この間,多くの鳥類哺乳類とでは,通常いくつかのリンパ節を経由する。哺乳類の右側上半身を除く全身のリンパ液が流入するリンパ本幹は,胸郭内を通り通常左鎖骨下静脈に注ぐので,胸管thoracic ductと呼ばれている。腸粘膜絨毛(じゆうもう)から始まるリンパ管は,腸間膜の間を走り胸管に合流するが,消化時吸収された脂肪滴の乳糜(にゆうび)によりリンパ液が白濁しているので,乳糜管chyle ductともいう。リンパ液の流れは,哺乳類や鳥類ではリンパ管自体の収縮随所にある弁の働きで逆流が防がれているが,爬虫類以下の下等脊椎動物では弁がなく,リンパ心臓lymph heartという特殊な装置がリンパ管にあって,そのポンプ作用による。
リンパ系
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百科事典マイペディア 「リンパ管」の意味・わかりやすい解説

リンパ管【リンパかん】

リンパ液を運ぶ管。身体各部の末梢で毛細リンパ管として始まり,次第に合流して太くなり,ついにリンパ本幹となり,最後静脈に注ぐ。この間,哺乳(ほにゅう)類や鳥類ではいくつかのリンパ節を経由する。血管の静脈に似るがこれより細く,壁も薄く屈曲凹凸が豊富である。内腔には多数の弁がある。→リンパ系
→関連項目胸管睾丸腫瘍

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンパ管」の意味・わかりやすい解説

リンパ管
リンパかん
lymphatic vessel

リンパの導管をいう。起始部の毛細リンパ管は毛細血管と似ているが,これよりも太く,各所に膨大部があって,互いに結合して毛細リンパ管網をつくっている。ここから出るリンパ管はリンパ管弁をもち,多くは互いに連絡してリンパ叢をつくり,次第に合流して本幹となって静脈と同じ方向に流れる。構造はだいたい静脈に似ているが,小リンパ管では中膜を欠き,大リンパ管でも静脈の場合より薄く,外膜の縦走筋も少い。弁は内膜のひだから成る半月弁で,リンパの逆流を防ぐ働きをする。通常2個ずつ管壁に対立し,外面からはふくれて見える。このため,リンパ管炎などでリンパが管内に滞ると,じゅず状のふくれができ体外から触れることができる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンパ管」の意味・わかりやすい解説

リンパ管
りんぱかん

リンパ

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栄養・生化学辞典 「リンパ管」の解説

リンパ管

 リンパ液の流れる管.

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世界大百科事典(旧版)内のリンパ管の言及

【循環系】より

…この場合,組織液は心臓の収縮と拡張によって,一定の経路を,最初はあたかも潮の満ちひきのごとく行き来していたものが,やがて体制の進化につれ,はじめて一方交通の循環という形をとることになる。 これに対し脊椎動物では,この通液路は,組織間隙を縦横に走る専用の管状器官,すなわち血管とリンパ管をふくむ独立した脈管系によって構成される。したがって,ここでの物質運搬は,もっぱら,この脈管系を流れる血液とリンパの両者によって営まれ,組織液が直接これに関与することはない。…

※「リンパ管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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