朝日日本歴史人物事典 「徳川宗睦」の解説
徳川宗睦
生年:享保18.9.20(1733.10.27)
江戸中期,尾張(名古屋)藩9代藩主。8代藩主徳川宗勝の次男,母は一色古暦の娘お嘉代。江戸に生まれ,寛保2(1742)年元服,宝暦11(1761)年家督を継ぎ,61万9500石を領した。天明1(1781)年従二位権大納言に進んだ。藩政改革を推進し,倹約を励行するとともに瀬戸窯業など諸産業の振興に力を入れるなど財政再建に成功した。領内の治水,新田開発にも努め,家臣団の生活安定も計った。また藩校明倫堂を建て,儒者細井平洲 を督学とし,藩士の教育にも力を注いで,中興の明君といわれた。松平定信を幕府老中に推薦し,成功すると一時幕政の顧問的立場となった。
(上野秀治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報