出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
江戸中期に輩出した朱子学、陽明学などの先行諸学説に偏らず、その長所をとって折衷穏当を図った儒学者たちを総称して折衷学派という。徂徠(そらい)学(蘐園(けんえん)学派)流行のあと、宝暦(ほうれき)・明和(めいわ)年間(1751~72)に片山兼山、井上金峨(きんが)らによって提唱された儒学の新学風で、一定の学説に基づく学派ではなく、「一人一学説」が特色である。しかし、いずれも既成の学派に束縛されず、中国漢唐の注疏(ちゅうそ)(古注)学から宋明(そうみん)の理学、さらには老荘学までの先行の諸説を取捨選択し、自家の見解を打ち出す学問方法のうえで共通性がある。また全体の傾向として、日本古学派とくに荻生徂徠(おぎゅうそらい)の学説を批判し、朱子学的な倫理重視の思想への回帰がみられる。折衷学派の自由な学風は、寛政(かんせい)異学の禁(1790)において禁圧の対象となったが、折衷的な学風はその後の儒学界に深く影響し、またその文献実証の方法は幕末の考証学に受け継がれた。代表的な折衷学者には、兼山、金峨のほか、山本北山、亀田鵬斎(ほうさい)、吉田篁墩(こうとん)、中西淡淵、細井平洲(へいしゅう)、宇野明霞(めいか)らがいる。
[衣笠安喜]
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