(読み)ボウ

デジタル大辞泉 「忘」の意味・読み・例文・類語

ぼう【忘】[漢字項目]

[音]ボウバウ)(漢) [訓]わすれる
学習漢字]6年
記憶がなくなる。わすれる。「忘恩忘我忘却忘年会健忘備忘録

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精選版 日本国語大辞典 「忘」の意味・読み・例文・類語

わすれ【忘】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「わすれる(忘)」の連用形名詞化 )
  2. わすれること。忘却。
    1. [初出の実例]「忘らむて野行き山行き我れ来れど我が父母は和須例(ワスレ)せぬかも」(出典万葉集(8C後)二〇・四三四四)
  3. 魚の鰭(ひれ)の部分名。背鰭の中ほどの所をいう。

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普及版 字通 「忘」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)
7画

[字音] ボウ(バウ)
[字訓] わすれる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(亡)(ぼう)。〔説文〕十下に「らざるなり。心に從ひ、に從ふ。は亦聲なり」とあり、(識)とは記憶にあることをいう。は周初の金文に字をに作り、(望)に従う。のち列国期の金文にはおおむねの字を用いる。〔儀礼、士冠礼〕に「壽考(や)まず」とあるものは、〔詩、小雅、〕に「其の爽(たが)はず 壽考まず」とみえ、古いいい方なのであろう。字形から考えると、望気をして、災いをやめるように祈ることが、この語の原義であったようである。

[訓義]
1. やめる、なくする。
2. わすれる、ゆるがせにする。
3. すてる、つきる、失う。

[古辞書の訓]
名義抄 ワスル・スツ・イルガセ・ノゾム 〔字鏡〕 サマス・スツ・ミダシ・ワスル 〔字鏡集〕 ワスル・サトラス・イルガセ・サマス・スツ

[語系]
miuangは同声。muan、滅miatも声義近く、(まん)は〔説文〕十下に「るるなり」、滅十一上は「盡くるなり」とあり、一系の語とみてよい。

[熟語]
忘恩・忘家・忘我忘懐忘艱忘帰・忘記・忘機忘己・忘却・忘形・忘忘言忘吾忘忽忘昏・忘魂・忘・忘私忘愁・忘情・忘食・忘身・忘神忘筌忘断・忘年忘念・忘八・忘反・忘本忘憂忘労
[下接語]
遺忘・棄忘・闕忘・健忘・忽忘・昏忘・坐忘・善忘・頓忘・廃忘・弭忘・備忘・慢忘・惑忘

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