出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
膵臓は、蛋白分解酵素をはじめとして、食べ物を消化・分解するいろいろな酵素を産生し、分泌しています。急性膵炎は、いろいろな原因で活性化された
短期間で軽快する軽症から、
2003年急性膵炎の診療ガイドラインが普及されて以降、重症急性膵炎の死亡率は低下傾向にあるが、いまだ約9%に及ぶことから、早期の適切な診断と治療が必要な病気です。
急性膵炎の原因として最も多いのはアルコール(37%)で、次に
急性膵炎で最も多い症状は上腹部痛です。痛みの場所はみぞおちから左上腹部で、しばしば背部にも広がります。痛みの程度は軽い鈍痛から、じっとしていられないほどの激痛までさまざまです。
何の前触れもなく痛みが起こることもありますが、食事後、とくに油分の多い食事をしたあとや、アルコールを多く飲んだあとに起こることも少なくありません。痛みは、膝を曲げて腹ばいになると和らぐことがあります(
そのほかの症状としては吐き気、嘔吐、
症状は、何日かかけて徐々に出てくることもあれば、突然現れることもあります。また、知らないうちに痛みがなくなってしまう場合もあります。また、次第に症状が悪化して、意識障害やショック状態(蒼白、血圧低下など)を起こすこともあります(重症化)。
腹部所見としては、疼痛のみられる場所を中心として、押されると痛みが強く(圧痛)、また押されておなかが硬くなること(
急性膵炎で現れる症状は、ほかの腹部疾患(胃・十二指腸の疾患や胆石症など)でもみられることが多いので、これらを見分けることが必要です。そこで、急性膵炎の臨床診断基準が作成され利用されています(表15)。
ここで重要なことは、腹部症状・所見に加えて、血液や尿中の膵酵素の上昇、あるいは画像診断で急性膵炎の異常所見がみられることを確認することです。
膵酵素としては一般にアミラーゼが有名で、ほとんどの場合、血清アミラーゼが検査されています。しかし、アミラーゼは膵炎で上昇しても、血液中で高値が続く期間が短いので、症状が出て何日かたってから受診すると、正常化していることがあるので注意が必要です。
また、アミラーゼは膵炎以外の原因でも上昇することがあるので、膵炎と即断することはできません。そのため、膵炎での特異性が高い膵型(p型)アミラーゼや、血中リパーゼの測定が有用とされています。
画像診断では、一般に腹部超音波検査(US)が行われ、膵臓のはれや膵周囲の炎症性変化(液体貯留など)が特徴的な所見として認められます。ただし、USは消化管にガスが多いと画像が不鮮明になるので、その時はX線CT検査やMRI検査を行います(図22)。
急性膵炎は、重症度によって予後が異なります。また、重症度に基づいて治療法を選択する必要があるので、診断時に重症度判定をしっかり行うことが重要です(表16)。重症度の判定は、臨床所見と血液・尿生化学検査、および画像診断(造影CT検査)によって総合的に行い、軽症か重症かを判断します。
治療の基本は、絶飲絶食による膵臓の安静と、初期の十分な輸液の投与です。食事や飲水は、間接的に膵臓を刺激して膵酵素の分泌を促し、膵炎を悪化させるので、急性期には厳密な絶飲絶食が必要です。また、膵炎では炎症のために大量の水分が失われているので、多量の輸液が必要になります。
腹痛などの痛みに対しては、鎮痛薬を適宜使用します。さらに、膵酵素の活性を抑えるはたらきのある蛋白分解酵素阻害薬もよく使われます。軽症と中等症の多くは、このような基本治療で軽快します。
重症膵炎では、さまざまな合併症に対する治療を行わなければならず、集中治療室(ICU)での全身管理が必要になることも少なくありません。また、血液浄化療法や蛋白分解酵素阻害薬の動脈注射療法などの、特殊な治療も検討されています。
液体貯留の多い場合や重症膵炎では、急性期を過ぎた時期にしばしば
急性膵炎は、日常しばしばみられる一般的な病気です。しかし、初期や軽症例では診断が困難なことが少なくありません。胃などの消化管の病気と間違われることや、逆にほかの疾患を急性膵炎と誤診することもあります。
診断が遅れると、重症膵炎ではとくに生命に関わることがあるので、上腹部から左側にかけて強い腹痛や背部痛が突然起こった時には、消化器科を受診することをすすめます。また、重症の場合は高度の専門的な治療が必要になるので、集中治療室のある総合病院への転院も考慮します。
症状が軽快して退院したあとにも、アルコールが原因の場合は、節酒あるいは禁酒をしっかり行うことが重要です。飲酒の再開によって膵炎が再発したり、
また、胆石が原因の場合は、再発防止に胆嚢摘出術などの治療を考慮する必要もあるので、担当医とよく相談してください。
急性膵炎の原因として、膵臓の腫瘍(とくに膵がん)によって起こる場合がまれにあります。アルコールや胆石などの、はっきりした原因がなく突然発症した、とくに中年以降の患者さんに対しては腫瘍の存在を念頭に置き、急性膵炎が治ったあとに腫瘍の検査を行う必要があります。
大山 奈海, 山口 武人
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2015-10-1)
…膵臓炎ということもある。1963年,マルセイユにおいて膵炎シンポジウムが開催され,膵炎は,(1)急性膵炎,(2)再発性急性膵炎,(3)慢性再発性膵炎,(4)慢性膵炎に分類するとの統一見解が出された。急性膵炎(上記(1)(2))が膵臓の一過性の急性反応と定義されるのに対し,慢性膵炎((3)(4))は炎症を起こす原因や因子をとり除いても,膵臓の形態的,機能的な障害が不可逆的であったり,あるいは進行するものとみなされている。…
…腹痛は腹部の病気の最も多くにみられる症状であり,患者にとっていちばんの苦痛でもある。腹痛の起り方,痛みの内容,持続の時間などから,だいたいの病気を判断することができる。腹痛は,その起り方と性質から3種類に分けられている。第1は,胃,腸,胆囊,膵臓などの内臓から発する内臓痛性腹痛であり,おもに腹の中心線上に痛みの部位があり,さしこむようなきりきりした痛み(疝痛)で周期的に起こり,手で押さえたり腹を前に曲げたりすると楽になることがある。…
※「急性膵炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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