(読み)ツツガ

デジタル大辞泉 「恙」の意味・読み・例文・類語

つつが【×恙】

病気などの災難。わずらい。やまい。→つつがない
「事に触れて、我が身に―ある心地するも」〈匂宮
恙虫つつがむし」の略。〈文明本節用集〉

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精選版 日本国語大辞典 「恙」の意味・読み・例文・類語

つつが【恙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 病気などの災難。わずらい。やまい。→つつがない
    1. [初出の実例]「いささかの足手のつつがもあらば、朝臣のすると思はむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
  3. つつがむし(恙虫)〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「恙と云虫人を食ふ故に諸人土穴を掘隠居せり」(出典:慶長見聞集(1614)五)
    2. [その他の文献]〔芸文類聚‐方術部・疾引風俗通〕

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普及版 字通 「恙」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] ヨウヤウ
[字訓] つつが・うれい・やまい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は羊(よう)。〔説文〕十下に「憂ふるなり」、〔玉〕になお「なり」の訓を加える。〔詩、風、二子乗舟〕「中心(やうやう)たり」の〔毛伝〕に「然は憂へて定むるを知らず」とあり、(養)は恙の意。〔呂覧、異用〕に、孔子弟子を迎えるとき、「子(し)の母、恙(つつが)らざるか」と問うたという。恙虫は「けだに」の幼虫、風土病の病原体を媒介するものとしておそれられた。

[訓義]
1. つつが、つつがむし
2. うれい。
3. やまい。

[古辞書の訓]
名義抄〕恙 憂ふるなり。ツツガ・ウレフ 〔字鏡集〕恙 ウレフ・ヤマヒ・ツツガ

[下接語]
恙・疾恙小恙疹恙・疲恙・微恙・無恙

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