出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
… 一方,すでに834年(承和1)の太政官符に主殿寮・主鷹司などの雑色(ぞうしき)・駈使(はせづかい)・犬飼・餌取が市で押買(おしがい)等の不法をするのを〈悪行〉とし,麁悪(そあく)な調物を〈濫悪〉〈濫穢〉といい,無法な罵言や暴力的行為を〈凶悪〉〈濫悪〉とする見方もあったが,12世紀に入るころには〈不善〉という言葉は激減し,さきの殺害などに,鳥獣,魚の殺生や分水の押妨等の行為を含めて,端的に悪行・悪事として糾弾されるようになる。殺生を悪とする仏教思想の浸透をそこにうかがうことができるが,〈党を結び,群れを成す〉といわれた悪徒・悪党は当時台頭しつつあった武士団そのもの,あるいは漁猟民を含む商工業者,金融業者などで,武装した僧兵―悪僧も大寺院が組織したこのような人々であった。これらの人々の世界では,戦場や夜,山野河海,境など,ある条件の下では〈悪〉と非難された行為を当然とし,むしろ積極的に評価する風潮が広く広がっていた。…
※「悪僧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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