情報量(読み)じょうほうりょう(その他表記)amount of information

図書館情報学用語辞典 第5版 「情報量」の解説

情報量

一つの通報を受け取ったときに,その通報の中に含まれる情報の量を客観的な数量で表現したもの.ハートレー(Ralph Vinton Lyon Hartley 1888-1970)は,情報量を不確実さの数の対数として定義した.すなわち,文字種類Kであるとき,1文字の情報量をlog Kと定義した.したがって,長さnの通報の情報量は,nlogKとなる.シャノン(Claude Elwood Shannon 1916-2001)は,文字の生起確率を導入して1文字の情報量をエントロピーで定義した.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「情報量」の意味・わかりやすい解説

情報量 (じょうほうりょう)
information content

情報理論において情報源から発生される信号やメッセージ(信号や文字の列)が有している情報の大きさを表す量,C.E.シャノンは情報量をその信号やメッセージが生起する確率p(0≦p≦1)の関数と考え,この関数形をI=-log pとおいた。生起確率pが小さければその情報量Iは大きくなる。これは直観的には,まれにしか生じない事柄ほどニュース性があることと対応づけられる。また生起確率pii=1,2,……,n)をもつn個のメッセージがあるときに,そのうち一つのメッセージを実際に受けとったときに得られる平均の情報量(ただし,p1p2+……+pn=1)をその情報のエントロピーと名付けた。情報量の単位はシャノンであるが,一般にはビットが使われることも多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「情報量」の意味・わかりやすい解説

情報量【じょうほうりょう】

情報理論で定義される情報の量。S種類の符号をn個並べて作る記号系列の一つのもつ情報量はnlog Sで表される(ハートリーの定義)。シャノンは確率過程論を導入してより広義な立場から情報量やエントロピーを定義した。これによると上のハートリーの場合は−nlog Sとなり,n個の記号が等確率1/Sで出現する場合に相当する。またたとえば現代文のもつ情報量は符号の使用頻度(ひんど)によって影響される。情報量の単位としては普通ビットを用いる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「情報量」の意味・わかりやすい解説

情報量
じょうほうりょう
amount of information

一般に社会活動のなか伝達あるいは蓄積される情報量は,図書数,論文数,通話数,特許出願数などの統計量によって単純に表現される。しかし情報理論では,通報を受取る側に不確定性があるとき,それをどの程度確定させるかが情報量である。わかりきったことやまったく信用できないことを知らせても,それらの通報はほとんど情報たりえないと考える。その場合,確率2分の1の事象を確定させる情報量を1ビットという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「情報量」の解説

情報量

集められた情報の量のこと。情報量にまつわる学問である情報理論は、Claude Elwood Shannon氏によって考えられた。Shannon氏は、情報というあいまいな概念を、対数関数によって数値化することで、正しく認識できるようにした。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android