精選版 日本国語大辞典「慈姑」の解説
くわい くわゐ【慈姑】
〘名〙
① オモダカ科の水生多年草。中国原産で、古くから各地の水田で栽培される。高さ九〇~一二〇センチメートル。ほぼ球形で径三~四センチメートルの青色の塊状の地下茎から、長柄のある鏃(やじり)形で長さ二〇~三〇センチメートルぐらいの葉を叢生する。秋、葉間から花茎をのばし、白色の三弁花を円錐状につける。地下茎は食用になり、その液汁は、やけどに効くという。漢名、慈姑。しろぐわい。ごわい。《季・春》
※堀河百首(1105‐06頃)雑「種つ物み園にまきついさこ共外面の小田にくはひひろはん〈藤原顕仲〉」 〔大和本草(1709)〕
② 植物「くろぐわい(黒慈姑)」の古名。〔十巻本和名抄(934頃)〕
くわえ【慈姑】
〘名〙 「くわい(慈姑)」の変化した語。
※四河入海(17C前)八「芡はくわへぞ。此石はくはへの実の如なぞ」
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