オモダカ科(読み)オモダカか(その他表記)Alismataceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オモダカ科」の意味・わかりやすい解説

オモダカ科
オモダカか
Alismataceae

単子葉植物イバラモ目の1科。全世界に 13属 90種ほどが分布し,淡水中や沼沢地などに生える。いずれも多年草で,地下に短い根茎をもつ。葉は根もとからロゼット状に叢生し,沈水したり水面に浮くものもある。株の中心から伸びる花茎の上部に総状花序をつくる。個々の花は3数性で内外3片ずつの花被 (花弁萼片に相当する) がある。おしべは3~6本,ときに多数あり,めしべも6本または多数がそれぞれ独立していわゆる多心皮花をつくる。単性花で雌雄異株の種もあるが,大多数は両性花果実は各子房ごとに痩果をつくって集合果となる。日本にはオモダカ (面高)アギナシなどが水田や溝に広く自生し,また,中国原産のクワイ (慈姑)食用に栽培されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オモダカ科」の意味・わかりやすい解説

オモダカ科
おもだかか
[学] Alismataceae

単子葉植物。水中または水湿地に生える多年草。根出葉は長い柄(え)があり、葉身は線形、矢じり形、卵形で抽水性、浮水性または沈水性。葉脈は明瞭(めいりょう)、花は両性または単性で、花序は総状か円錐(えんすい)状。花被(かひ)は放射相称子房上位、萼片(がくへん)3枚は宿存、花弁3枚、雄しべ多数、雌しべは6本または多数で離生。子房1室で1胚珠(はいしゅ)があり、無胚乳種子をもつ痩果(そうか)をつくる。熱帯から温帯に約14属100種分布する。APG分類でもオモダカ科とされる。

[大滝末男 2018年9月19日]


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