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真珠腫性中耳炎 シンジュシュセイチュウジエン

家庭医学館の解説

しんじゅしゅせいちゅうじえん【真珠腫性中耳炎 Chronic Otitis Media with Cholesteatoma】

[どんな病気か]
 鼓膜(こまく)や外耳道(がいじどう)の皮膚が中耳腔(ちゅうじくう)へ侵入し、袋状にふくらむ病気です。この皮膚の袋が真珠腫(しんじゅしゅ)で、それが、中耳とその周辺の骨を徐々に破壊していきます。
 先天性と後天性とがあります。後天性の場合は、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)が長引いて鼓膜が陥凹(かんおう)し(へこみ)、鼓膜の皮膚が徐々に中耳腔へ侵入しておこります。
[症状]
 骨の破壊がおこらなければ、ほとんど症状がありません。
 しかし、外耳道から水が入って感染がおこると、耳だれが出ます(耳漏(じろう))。また、真珠腫がたまりすぎると耳痛(じつう)がおこることがあります。
 骨が破壊されると、つぎのような症状がおこってきます。
●伝音難聴(でんおんなんちょう)
 3つの耳小骨(じしょうこつ)が破壊され、耳小骨連鎖(れんさ)に障害がおこると伝音難聴になります。しかし、真珠腫の進展度と聴力(ちょうりょく)障害とは比例しないことが多く、聴力は正常でも、以下のような合併症がおこることがあります。
●めまい
 真珠腫が、外側半規管(がいそくはんきかん)や前庭(ぜんてい)を破壊するとめまいがおこるようになります。耳の中を触ったり、吸引したりするとおこるめまいを瘻孔症状(ろうこうしょうじょう)といい、真珠腫性中耳炎によるめまいを診断する決め手となります。
●感音難聴(かんおんなんちょう)
 内耳窓(ないじそう)から中耳の炎症が波及したり、真珠腫が侵入したりして蝸牛(かぎゅう)が障害されると感音難聴になります。この難聴は、治ることがほとんどないのですが、発症から2週間以内の手術で聴力が改善することもあります。
●顔面神経まひ
 中耳のきぬた骨(こつ)、あぶみ骨の裏側には、顔面神経が走行していて、ここを真珠腫が圧迫したり、炎症がおこったりすると、顔面神経まひがおこります。
●頭蓋内合併症(ずがいないがっぺいしょう)
 真珠腫が、頭との境の骨を破壊すると、炎症が波及し髄膜炎(ずいまくえん)がおこります。これが、脳膿瘍(のうのうよう)などに進展すると生命が危険になります。耳の中を観察すれば比較的簡単に診断がつきます。
 真珠腫の進展具合、合併症の有無を調べるためにCT検査が必要です。
[治療]
 外来で治療できることはまれで、頭蓋内合併症の予防と難聴の治療のために入院しての手術(鼓室形成術(こしつけいせいじゅつ)、中耳根本術(ちゅうじこんぽんじゅつ))が必要です。
[予防]
 幼少児期の滲出性中耳炎をしっかりと治療しておくことが必要です。とくに鼓膜の上方(弛緩部(しかんぶ))が陥凹している場合は、耳鼻咽喉科医(じびいんこうかい)による長期間の観察が必要です。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

真珠腫性中耳炎
しんじゅしゅせいちゅうじえん

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