日本大百科全書(ニッポニカ) 「成帝」の意味・わかりやすい解説
成帝(中国、東晋)
せいてい
(321―342)
中国、東晋(とうしん)第3代皇帝(在位325~342)。姓名は司馬衍(しばえん)。第2代明帝の長子である。明帝の死後、5歳で即位した。在位中、327年には蘇峻(そしゅん)の乱が起こって建康(南京(ナンキン))が戦火にあい、北中国では五胡(ごこ)十六国の一、後趙(こうちょう)の石勒(せきろく)、石虎(せきこ)の勢力が盛んで、その南侵に脅かされるなど多難であったが、王導や外戚(がいせき)の庾(ゆ)氏が幼少の帝を補佐し、名将陶侃(とうかん)が要衝である揚子江(ようすこう)中流域を押さえて政局の安定に努めた。長ずるに及んで親政を行おうとしたが、その実を十分にあげないまま、22歳で死去した。
[中村圭爾]