成帝(読み)せいてい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「成帝」の意味・わかりやすい解説

成帝(中国、東晋)
せいてい
(321―342)

中国、東晋(とうしん)第3代皇帝(在位325~342)。姓名は司馬衍(しばえん)。第2代明帝の長子である。明帝の死後、5歳で即位した。在位中、327年には蘇峻(そしゅん)の乱が起こって建康(南京(ナンキン))が戦火にあい、北中国では五胡(ごこ)十六国の一、後趙(こうちょう)の石勒(せきろく)、石虎(せきこ)の勢力が盛んで、その南侵に脅かされるなど多難であったが、王導や外戚(がいせき)の庾(ゆ)氏が幼少の帝を補佐し、名将陶侃(とうかん)が要衝である揚子江(ようすこう)中流域を押さえて政局の安定に努めた。長ずるに及んで親政を行おうとしたが、その実を十分にあげないまま、22歳で死去した。

[中村圭爾]


成帝(中国、前漢)
せいてい
(前52―前7)

中国、前漢の第11代皇帝(在位前32~前7)。姓名は劉驁(りゅうごう)。父の元帝のころから災害が相次ぎ、また外戚(がいせき)や宦官(かんがん)の横暴も激しく、学問を好んだ成帝もやがて酒色にふけり、宮廷を抜け出しては市内で遊んだりした。紀元前14年には各地で反乱が起こり、皇帝支配の体制は揺らぎ始め、宮廷内も治まらず、王氏、許氏、趙(ちょう)氏などの外戚が権力争い、とくに王氏の伸張は、のちに王莽(おうもう)の出現を招いた。

尾形 勇]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「成帝」の意味・わかりやすい解説

成帝[前漢]
せいてい[ぜんかん]
Cheng-di; Ch`êng-ti

[生]甘露2(前52)
[没]綏和2(前7)
中国,前漢第 11代の皇帝 (在位前 33~7) 。姓は劉,字は太孫。元帝の子で母は王皇后。この時代に外戚王氏が権力を独占するにいたった。

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