成所作智(読み)ジョウショサチ

精選版 日本国語大辞典 「成所作智」の意味・読み・例文・類語

じょうしょさ‐ちジャウショサ‥【成所作智】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。唯識論で四智の一つ密教では、五智の一つ。諸仏が一切衆生聖道(しょうどう)にはいらせるために、種々の神通を現ずる作業を成就完成していること。
    1. [初出の実例]「誦密言頂成成所作智変化」(出典:即身成仏義(823‐824頃))
    2. 「大白牛車(だいびゃくごしゃ)と云ふ車に乗り成所作智(ジャウショサチ)のたてをつきて」(出典:御伽草子・仏鬼軍(国文東方仏教叢書所収)(室町中))
    3. [その他の文献]〔成唯識論‐一〇〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「成所作智」の意味・わかりやすい解説

成所作智
じょうそさち
Kṛtyānuṣṭhāna-jñāna

仏教用語。唯識説にいう四智の一つ。煩悩にけがされている眼,耳,鼻,舌,身のそれぞれ対象を分別して知る働きが,悟りによって転じると得られる智で,人々に益するためにいろいろな変化 (へんげ) の行為を達成するものであるといわれる。

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