戸塚洋二(読み)トツカヨウジ

デジタル大辞泉 「戸塚洋二」の意味・読み・例文・類語

とつか‐ようじ〔‐ヤウジ〕【戸塚洋二】

[1942~2008]物理学者・天文学者。静岡の生まれ。小柴昌俊に師事し、カミオカンデスーパーカミオカンデ建設にたずさわる。平成10年(1998)、ニュートリノ質量があることを確認。平成16年(2004)文化勲章受章。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戸塚洋二」の意味・わかりやすい解説

戸塚洋二
とつかようじ
(1942―2008)

物理学者。静岡県富士市生まれ。1965年(昭和40)に東京大学理学部物理学科卒業。小柴昌俊(こしばまさとし)の指導のもと、神岡鉱山(岐阜県)の地下で宇宙線のミュー束の研究を行い、1972年に理学博士学位を取得した。ハンブルクのドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY:Deutsches Elektronen-Synchrotron)で加速器実験について学び、1981年にカミオカンデ建設のために帰国。1995年(平成7)に神岡宇宙素粒子研究施設長に就任(~2002)。1997年に東京大学宇宙線研究所長(~2001)。1998年にスーパーカミオカンデでニュートリノ振動を検出して、ニュートリノの質量がゼロではないことを世界で初めて示した。2003年(平成15)には、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の機構長になり(~2006)、ニュートリノの質量を正確に測定するために、茨城県東海村の大強度陽子加速施設(Japan Proton Accelerator Research Complex、略称J-PARC)から神岡のスーパーカミオカンデにニュートリノを飛ばす実験を行った。2002年文化功労者、2004年文化勲章受章。

[編集部 2023年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「戸塚洋二」の解説

戸塚洋二 とつか-ようじ

1942-2008 昭和後期-平成時代の物理学者,宇宙線天文学者。
昭和17年3月6日生まれ。昭和62年東大教授。同大宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設長,同研究所所長をつとめ,平成14年高エネルギー加速器研究機構教授,15年同機構長。その間,スーパーカミオカンデを建設,ニュートリノに質量があることを確認するなど,ニュートリノ物理学,ニュートリノ天文学発展貢献。14年文化功労者。16年文化勲章。平成20年7月10日死去。66歳。静岡県出身。東大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「戸塚洋二」の解説

戸塚 洋二 (とつか ようじ)

生年月日:1942年3月6日
昭和時代;平成時代の物理学者

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android