翻訳|backcross
戻し交配ともいう。雑種第一代(F1)と,その交雑に用いられたどちらか一方の親との交雑を戻し交雑という。この場合,劣性ホモ(同型)接合体をF1に戻し交雑すると,F1に生じた配偶子の遺伝子型の比がそのまま戻し交雑世代の表現型の比率になる。G.J.メンデルも1865年に分離比を確かめる方法としてすでにこれを用いており,このように劣性ホモ接合体との戻し交雑をとくに検定交雑という。同じ親とくりかえし連続的に戻し交雑した場合,戻し交雑第一代,戻し交雑第二代,戻し交雑第三代,……と呼び,それらをB1,B2,B3,……と表現する。
このような連続戻し交雑の原理を利用したものが,戻し交雑育種法backcross breedingである。例えばある品種Aに別の品種Bに備わっているある特定の遺伝子を導入しようとする場合に,まずA×BのF1をつくり,これにAを戻し交雑し,できた次代でBのもつ特定の遺伝子をもつ個体のみを選んでふたたびAと戻し交雑し,このようにしてAと連続戻し交雑しつつ特定の遺伝子をもつ個体のみを選択してゆくと,Aという品種にBのもっていた特定の遺伝子を導入することができる。この方法は作物の耐病性,害虫抵抗性などの導入や家畜の改良などに用いられている。ここで連続戻し交雑に用いられる親(上の例では品種A)を反復親recurrent parentといい,目的の遺伝子をとり入れるために最初の交雑に用いられた親(上に述べた品種B)を供与親donor parentという。
執筆者:阪本 寧男
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