手を打つ(読み)テヲウツ

デジタル大辞泉 「手を打つ」の意味・読み・例文・類語

・つ

感心したり、思い当たったり、感情が高ぶったりしたときに両手を打ち合わせて音をたてる。「―・って大喜びする」「はたと―・つ」
話をまとめる。また、仲直りをする。「言い値で―・つ」「抗争中の両派が―・つ」
予想される事態に対して必要な処置をとる。「話がこじれる前に―・つ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手を打つ」の意味・読み・例文・類語

て【手】 を 打(う)

  1. てのひらをうち合わせて鳴らす。
    1. (イ) 喜怒哀楽など感情が高まって、思わず手を打ち鳴らす。横手をうつ。
      1. [初出の実例]「爾に其の一言主大神、手打ちて其の捧げ物を受けたまひき」(出典:古事記(712)下)
      2. 「一門の亭主共手を打て肝をつぶし」(出典:浮世草子・世間娘容気(1717)二)
    2. (ロ) てのひらを打ち鳴らして礼拝する。合掌する。
      1. [初出の実例]「皇后即天皇位す。公卿百寮、羅列りて匝(あまね)く拝(をか)みたてまつりて手拍(ウツ)」(出典:日本書紀(720)持統四年正月(北野本訓))
    3. (ハ) 商談・契約・和解などの成立した際の所作にいう。また、祝って拍手する。転じて、仲直りをする。契約が成立する。
      1. [初出の実例]「胸筭用違ひはないか手(テ)をうて打もせいと大笑ひして」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)八)
      2. 「だんだんそうだんきはまり、三百両にて手をうち、しゅびよくおよねを身うけして」(出典:黄表紙・米饅頭始(1780))
    4. (ニ) 合点がいったり、納得したりする時にする動作。
      1. [初出の実例]「治兵衛手を打、ハアアよめた。よめた」(出典:浄瑠璃・心中天の網島(1720)中)
  2. 囲碁将棋双六などで、巧みな打ち方をする。
    1. [初出の実例]「年頃、おぼつかなく、ゆかしく思ひきこえさせし御顔、常にえ見たてまつらぬばかりこそ、てうたぬ心地し侍れ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)常夏)
  3. 必要な手段を講じる。一策を用いる。
    1. [初出の実例]「第三者のやうに振舞って何かの手を打たうとしてゐるのだらうと思はれた」(出典:片棒かつぎ(1950)〈井伏鱒二〉)

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