打毬楽(読み)たぎゅうらく

精選版 日本国語大辞典 「打毬楽」の意味・読み・例文・類語

たぎゅうらくタギウ‥【打毬楽】

  1. 打毬楽〈舞楽図譜〉
    打毬楽〈舞楽図譜〉
  2. 雅楽曲名唐楽新楽太食調(たいしきちょう)の曲。左方舞。舞は四人舞。裲襠(りょうとう)、別袴別袍(べつはかまべつほう)、抹額冠(まっこうのかんむり)のいでたちで、毬杖(ぎっちょう)を持ち、毬(まり)を打ち興ずるさまを舞う。玉会(ぎょくえ)打毬楽
    1. [初出の実例]「打毬楽・落蹲(らくそむ)などあそびて勝まけの乱声ども、ののしるも」(出典源氏物語(1001‐14頃)蛍)

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改訂新版 世界大百科事典 「打毬楽」の意味・わかりやすい解説

打球楽 (たぎゅうらく)

雅楽の舞楽管絃の曲名。唐楽にふくまれ太食(たいしき)調。四人舞で平舞・武ノ舞の区別なし。打毬楽とも書く。番舞(つがいまい)は《埴破(はんなり)》。この曲用の別装束で舞う。錦の縁のついた毛べりの裲襠装束に,巻纓・緌(おいかけ)のついた末額冠(まつこうのかんむり)をかぶり右手には五色に彩られた毬杖(ぎつちよう)を持ち,やはり五色に彩色された木製の玉(球子(きゆうし))1個を用いる。由来は不明であるが,平安時代に競馬や相撲歌合の会などで舞われた記録がある。演奏次第は,太食調調子・品玄(ぼんげん)(舞人の登場)-当曲(延八拍子,当曲舞)-調子・上調子(かんぢようし)(退場)。管絃の曲としても演奏される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「打毬楽」の意味・わかりやすい解説

打球楽
たぎゅうらく

日本の雅楽の曲名。唐楽,太食 (たいしき) 調に属する。「打毬楽」とも書く。舞があり,4人で舞う。平安時代の遊戯である打毬 (だきゅう) に貴族たちが打ち興じるさまを模した曲で,玉掻手 (たまかくて) という舞の手を特徴とする。舞人は,裲襠 (りょうとう) 装束を着け,冠をかぶり,球杖 (ぎっちょう) という先端の曲った棒を持ち,二臈はほかに木製の球を持って,太食調調子,品玄 (ぼんげん) を伴奏に登場し,当曲 (中心となる曲) を舞う。舞い終って上調子 (かんぢょう) を伴奏に退場する。

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