押開(読み)おっぴらく

精選版 日本国語大辞典 「押開」の意味・読み・例文・類語

おっ‐ぴら・く【押開】

〘他カ五(四)〙
① 「おしひらく(押開)」の変化した語。
※虎寛本狂言・蚊相撲(室町末‐近世初)「扨々、きやつが相撲はふしぎなすまふじゃ。やっといふ、おっぴらく」
※大英游記(1908)〈杉村楚人冠〉本記「孰(いずれ)日本から連れて来た職工が、押っ開(オッピラ)いた日本流店頭(みせさき)で」
② 隠したり、ためらったりしないで事を行なう。おおっぴらに行動する。
浮世草子傾城色三味線(1701)大坂抓取心覚へあればこそ、おっぴらいたるせんさく」

おし‐ひら・く【押開】

〘他カ五(四)〙 (「おしびらく」とも)
① 物を押してあける。押しあける。
書紀(720)崇神八年一二月・歌謡味酒 三輪の殿の 朝戸にも 於辞寐羅箇(オシビラカ)ね 三輪の殿戸を」
※栄花(1028‐92頃)音楽「扉おしひらきたるを御覧ずれば」
② (「おし」は接頭語) 「開く」を強めていう。
今昔(1120頃か)二「即ち爼に魚を置て作らむとす。〈略〉心しらひて剥き開て、押し開きて見れば、端厳美麗なる男子、丸び出たり」

おし‐あ・ける【押開】

〘他カ下一〙 おしあ・く 〘他カ下二〙 戸などを押してあける。むりやりにひらく。
源氏(1001‐14頃)明石「月いれたる槇の戸口、けしきばかりをしあけたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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