持たせる(読み)モタセル

デジタル大辞泉 「持たせる」の意味・読み・例文・類語

もた・せる【持たせる/×凭せる】

[動サ下一][文]もた・す[サ下二]
(持たせる)持つようにしてやる。持つようにさせる。また、受け持たせる。「板前に店を一軒―・せる」「所帯を―・せる」「クラスを―・せる」
(持たせる)持っていかせる。「少しばかりの金を―・せる」「手みやげを―・せる」
(持たせる)保つようにさせる。「この金で今月一杯―・せる」「人工呼吸器で命を―・せる」
(持たせる)費用などを負担させる。「勘定は私に―・せてください」
(持たせる)相手に期待する気持ちを起こさせる。「気を―・せた言い方」
(凭せる)立てかける。寄せかける。
「門の壁に身を―・せて」〈芥川・杜子春〉
[類語]預けるもたせかける寄せかける寄り掛かるもたれ掛かるもたれるしなだれ掛かるしなだれる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「持たせる」の意味・読み・例文・類語

もた‐・せる【持・凭】

  1. 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]もた・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙
  2. たてかける。寄せかける。もたせかける。もたす。
    1. [初出の実例]「杖を竪に立てて、杖のさきに頤をもたせてしばらくありしが」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)一〇)
  3. 思わせぶりな言動で相手の気を引く。気をもます。気を持たせる。もたす。
    1. [初出の実例]「但、人たがひかと宣ひて少しもたせし御言葉」(出典:浄瑠璃・平安城(1698頃か)三)
  4. 保たせる。
    1. [初出の実例]「『さあらばわきをいたさう』『よふごさらふ』『さくらになせや、雨のうき雲』〈略〉『なせやが心にかかりまらする』『是でもたせた句じゃ』」(出典:虎明本狂言・八句連歌(室町末‐近世初))
  5. 費用などを出させる。負担させる。
  6. 持って行かせる。
    1. [初出の実例]「Qigayeuo(キガエヲ) motasuru(モタスル)」(出典日葡辞書(1603‐04))

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