指定預金(読み)していよきん(英語表記)designated deposit

精選版 日本国語大辞典 「指定預金」の意味・読み・例文・類語

してい‐よきん【指定預金】

  1. 〘 名詞 〙 政府預金うち、その用途条件などを日本銀行に対して特に指定した預金。市中金融の緩和、企業救済などのために行なわれることがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「指定預金」の意味・わかりやすい解説

指定預金
していよきん
designated deposit

預入れ者が預入れ先の金融機関に対して運用を指定する預金のこと。日本の金融制度上は、一般には取扱いが認められておらず、指定預金といえるのは、政府が日本銀行に対して運用を指定して預入れしている政府指定預金だけである。日本では、会計法第34条に基づき、国庫金はすべて日本銀行に預入れされることになっているが、政府指定預金は、この政府預金のうち特別に日本銀行に対して使途を指定した預金である。たとえば、国が外国債券を発行した場合、その償還元利金の支払いに充当する資金として日本銀行に預託しておく場合などがそれである。

[太田和男]

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百科事典マイペディア 「指定預金」の意味・わかりやすい解説

指定預金【していよきん】

国庫金はすべて日本銀行に政府預金として預入されるが,このうち政府が日銀に対し特にその運用方法を指定した預金をいう。指定された用途としては,財政資金に余裕があり,一方,市中金融が逼迫(ひっぱく)している場合に,特定金額を大蔵大臣の指定する使途や利率に従って政府預託金として市中金融機関に預託(市中預託)し,金融緩和を図ることや,企業救済のため政府資金を中小企業関係金融機関に預託すること等がある。しかし,政府による制度乱用を会計検査院に指摘され1954年に廃止された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「指定預金」の意味・わかりやすい解説

指定預金
していよきん
designated deposit

市中金融機関に預け入れられた政府資金のこと。日本においては政府資金は中央銀行である日本銀行に預金されるのが原則であるが,1952~53年に市中金融の逼迫を緩和するために政府の余裕資金の一部を一定期間市中金融機関に預金したことがある。その場合大蔵大臣は日本銀行に命じて預金の一定額を特定の金融機関に預けさせるが,預金金額はもとより,その使途,期間,利子率などについて一定の指定を行なったことから,通常このような預金を指定預金と呼んだ。

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