指導者国家(読み)しどうしゃこっか(英語表記)Führerstaat

山川 世界史小辞典 改訂新版 「指導者国家」の解説

指導者国家(しどうしゃこっか)
Führerstaat

ナチス・ドイツの反民主的政治体制フューラー(指導者)の権威の絶対化と被指導者の無条件的な服従を説く指導者原理にもとづいて,指導者国家という形でのファシズム独裁の正統性主張された。そこでは人民意志はフューラーの意志と一致するとの主張により,立法はフューラーの独断で行われ,議会は人民の服従の意志を表現する機関にすぎなくなった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「指導者国家」の意味・わかりやすい解説

指導者国家
しどうしゃこっか
Führerstaat

指導者原理に基づいて形成されたナチス・ドイツの政治体制をいう。「各級指導者の下に対する権威,上に対する責任」が根本原則とされ,最高指導者 (フューラー) である A.ヒトラーの絶対的権威が制度化された。テロル独裁下の支配,服従の関係を,指導=被指導の関係として正当化するとともに,人民投票大衆集会形式を通じて国民の積極性を喚起し,それを対外侵略の水路へ流し込んでゆく精神的総動員の体制であった。

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