六訂版 家庭医学大全科 「指挫滅創」の解説
指挫滅創
しざめつそう
Crush injury to a finger
(外傷)
どんな外傷か
手指は常に露出して外界と接触し、使用頻度も高いため、最も外傷を受けやすい部位のひとつです。
これらの外傷に対しては、皮膚そのものの問題だけでなく、爪・骨・神経・腱などの損傷程度によって、その障害や治療法が異なってきます。
原因は何か
日常生活のあらゆる場面で起こりますが、重症なケースは機械に巻き込まれるなどの労働災害で多く生じます。
治療の方法
指に外傷を負ったら、すぐに応急処置を行います。応急処置で重要な点は止血です。止血の基本は出血している患部を直接圧迫することです。指の根元や腕の部分を包帯・ゴムなどで長時間きつく圧迫することは、末梢の循環障害を起こす危険性があるので行わないようにします。
組織の損傷を最小限にとどめるためには、氷などで局所を冷やすのが効果的です。指先を切断してしまった場合も、とれた指をガーゼなどにくるんで氷水で冷やしながら医療機関に持参します。
指先の色調や感覚を調べて、末梢部の循環状態や神経損傷の有無を確認します。腱の損傷の有無は、指の関節が動かせるかどうかによって判断します。
泥などが混入している状態で、ただちに医療機関を受診できない時は、出血に注意しながらできるだけ混入物を洗い流します。消毒より洗浄が優先されます。
骨折・
応急処置がすんだら、患部をできるだけ上にあげて、
高山 真一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報