挙国一致(読み)キョコクイッチ

共同通信ニュース用語解説 「挙国一致」の解説

挙国一致

重大危機を訴える政権の下、国民一丸となって行動する政治状況のこと。国策推進に国民の力を使いやすくする狙いがある。批判しにくいムードが生まれ、国全体が危険な方向に走る恐れが指摘される。緊急時の政権に野党が加わり、挙国一致内閣と呼ばれることがある。犬養毅首相が射殺された1932年の五・一五事件後に発足した斎藤実内閣が例に挙がる。大正デモクラシー期から続いた政党政治命脈はここで絶たれ、以後日本軍国主義が支配的となった。

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精選版 日本国語大辞典 「挙国一致」の意味・読み・例文・類語

きょこく‐いっち【挙国一致】

  1. 〘 名詞 〙 国民全体が一つになって同一の態度をとること。
    1. [初出の実例]「抑も二十七八年の役に挙国一致して軍事に力瘤を入れ」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉電影)

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四字熟語を知る辞典 「挙国一致」の解説

挙国一致

国民全体が一つになって同一の態度をとること。

[活用] ―する。

[使用例] 日本は小さいけれども、挙国一致ですからかなひませんやな[田山花袋田舎教師|1909]

[使用例] 戦争中と形こそちがうが、挙国一致のときなのだ。国家総動員精神で行かんと、日本は立ち行かなくなりますぞ[城山三郎*官僚たちの夏|1974]

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