接写(読み)せっしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ)「接写」の解説

接写
せっしゃ

撮影用語。一般に1メートル以内の写真撮影を接写、クローズアップclose-up、略してアップなどとよぶ。50~20センチメートル程度に近づいて写すようになれば本格的な接写で、ピント合わせや露出調節に独自の撮影技術が要求される。たとえば被写界深度がたいへん浅くなるため、最小絞りかそれに近い小絞りを使う必要があり、またレンズとフィルム面の間隔が長くなるため、撮影倍率に応じて露出を増加しなければならない。草の接写、昆虫や小動物の生態撮影、学術研究上の小資料の撮影など、接写の技術はかなり広範囲にわたって応用されている。一般のカメラのレンズは、その焦点距離の10倍程度の距離にまで近づいて写せるが、それより近づくには、クローズアップ・レンズとよばれるアタッチメント・レンズ、レンズの繰り出し量を補足する接写リング中間リング)やベローズ(蛇腹(じゃばら))、超近接の拡大撮影でレンズを逆に取り付けるためのリバースリング、接写のときに見やすい特殊なファインダーなどの専用機材が利用される。また近接性能に重点を置いた設計マクロレンズもあり、これらを使用することにより、一眼レフカメラ特性を十分に活用することができる。

[小池恒裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「接写」の解説

せっ‐しゃ【接写】

被写体にレンズを近接させて撮影すること。ごく近づいて写真をうつすこと。また、その写真。〔写真百科大辞典(1933)〕
※手は汚れない(1961)〈久能啓二〉三「接写レンズをつけて伊津子は、念入りに三種類の露出でその鑑定書を撮影した」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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