脊椎(せきつい)動物の歯が生え換わること。ヒトでは生後9か月ぐらいから乳歯が生え始め、3歳ぐらいまでに生えそろう。やがておよそ6歳になると、ほぼ生えた順に乳歯が抜け落ち始め、かわりに永久歯が後を埋めてゆく。このように一生のうちに1回歯が生え換わるものを一換歯性あるいは二生歯性といい、ほとんどの哺乳(ほにゅう)類がこれにあたる。他方、爬虫(はちゅう)類以下の動物では、歯の数も多く、消耗に伴って何度でも生え換わる多換歯性である。換歯がおこる機構はかならずしも明らかではないが、顎骨(がくこつ)の発達(容量と知能の両面における脳の成長を反映している)に見合った歯をつくるためにおこると考えられている。
[和田 勝]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報