改訂新版 世界大百科事典 「揩鼓」の意味・わかりやすい解説
揩鼓 (かいこ)
kāi gǔ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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中国・日本の膜鳴楽器。現存しない。中央のくびれた短い胴(匡(きょう))の両端に輪の枠のついた革面を当て、2枚の膜面を調緒(しらべお)で引っ張り寄せて膜に張力を与える締太鼓(しめだいこ)の一種。膜面が水平になるように左手で持ち、上の膜面だけを右手の指ではじいたり、こすったりして奏したので、日本名を摺鼓(すりつづみ)(須利都々美)ともいう。「揩」にも「こする」「打つ」の意がある。西アジア、インドに由来すると考えられるこの楽器は、アーリア語のtab(打つ)などの語をも想起させる答臘鼓(とうろうこ)という中国名をももっている。ガンダーラやボロブドゥールの遺跡の美術品に類似の形がみられ、中国隋(ずい)・唐代の燕京(えんきょう)楽や初期の日本雅楽に使われていたなど、その分布は広く、各地の後世の締太鼓の祖型とも考えられる。
[山口 修]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報