(読み)セン

デジタル大辞泉 「擅」の意味・読み・例文・類語

せん【擅】[漢字項目]

[音]セン(漢) [訓]ほしいまま
独り占めにする。かって気ままにする。「擅恣せんし擅断独擅場どくせんじょう

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精選版 日本国語大辞典 「擅」の意味・読み・例文・類語

ほしい‐まま【擅・縦・恣】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 心のままにするさま。勝手気ままであるさま。ほしきまま。ほしまま。
    1. [初出の実例]「如何(いかん)ぞ我姉(わかなねのみこと)相見(あいまみ)へまつらずして擅(ホシイママ)に自(みつか)ら径去(たたにまか)らむやといひて」(出典日本書紀(720)神代上(寛文版訓))
  3. 散漫で、だらしがないさま。放恣放肆
    1. [初出の実例]「昼寝の夢を貪って居る。其放肆(ホシイママ)光景」(出典:老嬢(1903)〈島崎藤村〉一)

ほし‐まま【擅・縦・恣】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「ほしきまま」の音便形「ほしいまま」の「い」の無表記形 ) =ほしいまま(擅)
    1. [初出の実例]「理は繋(けい)象を苞(か)ね、詞は感英を逸(ホシママ)にす」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))

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普及版 字通 「擅」の読み・字形・画数・意味


16画

[字音] セン・ゼン
[字訓] ほしいまま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は亶(たん)。亶に・氈(せん)の声がある。〔説文十二上に「專らにするなり」とあり、專(専)と声義近く、専断専有の意がある。

[訓義]
1. ほしいまま、ほしいままにする。
2. しめる、ひとりしめる。
3. 禅と通じ、ゆずる。

[古辞書の訓]
名義抄〕擅 モハラ・ホシイママ

[熟語]
擅愛・擅為擅管擅議擅強・擅権・擅行・擅国擅殺擅恣・擅自・擅事・擅場擅譲・擅制擅政擅勢擅専・擅断・擅・擅朝・擅・擅美擅賦擅兵擅柄・擅便擅命擅利
[下接語]
豪擅・恣擅・自擅・専擅・独擅・雄擅

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