放熱器(読み)ホウネツキ(英語表記)radiator

翻訳|radiator

デジタル大辞泉 「放熱器」の意味・読み・例文・類語

ほうねつ‐き〔ハウネツ‐〕【放熱器】

内燃機関暖房器具などで、熱を外部に放出する装置。ラジエーター

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精選版 日本国語大辞典 「放熱器」の意味・読み・例文・類語

ほうねつ‐き ハウネツ‥【放熱器】

〘名〙 熱を放散させるための装置。空冷式水冷式などがあり、一般に放熱面積を大きくする工夫がしてある。内燃機関、暖房装置などに用いられる。ラジエーター。

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改訂新版 世界大百科事典 「放熱器」の意味・わかりやすい解説

放熱器 (ほうねつき)
radiator

ラジエターともいう。熱を放出する装置のことであるが,一般には暖房用,自動車エンジン冷却用のものを指すことが多い。(1)暖房用 温水蒸気を加熱源とする室内暖房用の熱交換器で,その形状から,鋳鉄製の柱状の節を組み合わせた鋳鉄放熱器,ひだ付き鋼板を結合した鋼板放熱器(プレート形熱交換器)に大別される。放熱方式の面からは主として対流によって放熱する対流放熱器コンベクター),放射を主とする放射放熱器とに分かれる。これらの放熱器の容量は,相当放熱面積(EDR。equivalent direct radiationの略)で表す。1m2EDRあるいは相当放熱面積が1m2というのは,室内空気が18.5℃のとき,102℃の加熱蒸気(または平均80℃の温水)を用いた場合,650kcal/h(温水の場合450kcal/h)の容量がある放熱器であることを意味する。(2)自動車用 自動車のエンジンはシリンダー内部のガス温度が高いので,シリンダーやシリンダーヘッドなどを冷却する必要がある。冷却には空冷式,水冷式があるが,後者の場合,冷却水が奪った熱を外気に捨てるために自動車の前部に放熱器を置く。その放熱量は燃料燃焼熱のおよそ1/3ほどになる。放熱器にはたくさんのフィンを設けて熱交換面積を増し放熱量を増加させるとともに,エンジンにより駆動されるファンが設けられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「放熱器」の意味・わかりやすい解説

放熱器
ほうねつき

余分の熱を捨てる装置。普通は空気中に熱を捨てるものをいう。機械の作動状態を適温に維持するためや、熱機関を作動させるためには熱を捨てる必要がある。たとえば電子機器ではトランジスタなどが高温になるのを防止する放熱板、冷蔵庫で庫内からとった熱を捨てる放熱パイプ、内燃機関でエンジンの温度上昇を防止するために冷却水の熱を捨てるラジエーターなどがある。また、室内の暖房に用いる蒸気を通す装置も放熱器である。特殊なものとしては、宇宙船を宇宙で冷却するために放射で熱を捨てる装置も放熱器である。

[吉田正武]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放熱器」の意味・わかりやすい解説

放熱器
ほうねつき
radiator

ラジエータともいう。スチーム暖房などで室内に設置されたパイプをさすが,普通は放熱効果をよくするため,多数のパイプを使ったり,パイプにひれ状の放熱板をつけた形が多い。内燃機関で冷却水が得た熱量を放散させる部分,変圧器において放熱面積を大きくするために表面につけた多数のひれ,航空発動機などにおいてシリンダ部の過熱を防ぐためにその表面に取付けた冷却フィン,そのほか,冷蔵庫の放熱パイプ部や自動車の冷却器など,一般に熱を放散させる装置として,広い意味で使われる。

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百科事典マイペディア 「放熱器」の意味・わかりやすい解説

放熱器【ほうねつき】

ラジエターとも。自動車の水冷式エンジンでは,エンジンの冷却水の熱を逃がすための装置をいう。細管を格子形に組んだもので,これに上下方向,あるいは横方向に水を流す。暖房用の熱交換器も放熱器という。

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