翻訳|radiator
ラジエターともいう。熱を放出する装置のことであるが,一般には暖房用,自動車エンジンの冷却用のものを指すことが多い。(1)暖房用 温水や蒸気を加熱源とする室内暖房用の熱交換器で,その形状から,鋳鉄製の柱状の節を組み合わせた鋳鉄放熱器,ひだ付き鋼板を結合した鋼板放熱器(プレート形熱交換器)に大別される。放熱方式の面からは主として対流によって放熱する対流放熱器(コンベクター),放射を主とする放射放熱器とに分かれる。これらの放熱器の容量は,相当放熱面積(EDR。equivalent direct radiationの略)で表す。1m2EDRあるいは相当放熱面積が1m2というのは,室内空気が18.5℃のとき,102℃の加熱蒸気(または平均80℃の温水)を用いた場合,650kcal/h(温水の場合450kcal/h)の容量がある放熱器であることを意味する。(2)自動車用 自動車のエンジンはシリンダー内部のガス温度が高いので,シリンダーやシリンダーヘッドなどを冷却する必要がある。冷却には空冷式,水冷式があるが,後者の場合,冷却水が奪った熱を外気に捨てるために自動車の前部に放熱器を置く。その放熱量は燃料の燃焼熱のおよそ1/3ほどになる。放熱器にはたくさんのフィンを設けて熱交換面積を増し放熱量を増加させるとともに,エンジンにより駆動されるファンが設けられる。
執筆者:斎藤 孝基
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余分の熱を捨てる装置。普通は空気中に熱を捨てるものをいう。機械の作動状態を適温に維持するためや、熱機関を作動させるためには熱を捨てる必要がある。たとえば電子機器ではトランジスタなどが高温になるのを防止する放熱板、冷蔵庫で庫内からとった熱を捨てる放熱パイプ、内燃機関でエンジンの温度上昇を防止するために冷却水の熱を捨てるラジエーターなどがある。また、室内の暖房に用いる蒸気を通す装置も放熱器である。特殊なものとしては、宇宙船を宇宙で冷却するために放射で熱を捨てる装置も放熱器である。
[吉田正武]
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