放鳥(読み)ホウチョウ

デジタル大辞泉 「放鳥」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ちょう〔ハウテウ〕【放鳥】

[名](スル)
繁殖のために、野鳥ひなを人工的に育ててから放すこと。また、生態調査などのために、捕らえた鳥に目印などをつけて放すこと。
放生会ほうじょうえ葬式などの際、供養功徳のために、捕らえていた鳥を逃がしてやること。また、その鳥。放ち鳥。

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精選版 日本国語大辞典 「放鳥」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ちょうハウテウ【放鳥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 放生会(ほうじょうえ)や葬式の時に、供養のため、捕えておいた鳥を逃がしてやること。はなちどり。はなしどり。
    1. [初出の実例]「葬式の虚偽栄法の一つに放鳥(ハウテウ)と云ふのがある」(出典面白半分(1917)〈宮武外骨虚偽の放鳥)
  3. 繁殖を目的とし鳥の雛を人工的に育ててから放してやること。
  4. 繁殖、分布、生態などの調査のため、捕えた野鳥に目印をつけて放すこと。

はなち‐どり【放鳥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 飛べないように羽を切るなどして放し飼いにする鳥。
    1. [初出の実例]「島の宮上の池なる放鳥(はなちどり)荒びな行きそ君いまさずとも」(出典:万葉集(8C後)二・一七二)
  3. 籠の鳥を放つこと。追善のために鳥を買って放すこと。また、その鳥。
    1. [初出の実例]「世中を思ひはなてばはなち鳥とび立ぬべき心地こそすれ」(出典:散木奇歌集(1128頃)雑上)

はなし‐どり【放鳥】

  1. 〘 名詞 〙 死者の供養のために、鳥を買って放すこと。また、その鳥。はなちどり。
    1. [初出の実例]「三拾文はなし鳥(ドリ)三羽」(出典:浮世草子好色二代男(1684)八)

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