散官(読み)サンカン

デジタル大辞泉 「散官」の意味・読み・例文・類語

さん‐かん〔‐クワン〕【散官】

律令制で、位階があって、それに相当する職務のない官。⇔職事官しきじかん
たいした役目のない、暇な官職

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精選版 日本国語大辞典 「散官」の意味・読み・例文・類語

さん‐かん‥クヮン【散官】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制において、位階があって、官職のない者。散位。〔令義解(718)〕
  3. 中国、唐の職事官が帯するもので、職掌のない一種の資格。漢魏以来の古制を承けたもの。従一品相当の開府儀同三司以下があり、日本では、唐の貞観年間に改めた散官名を、日本の位階名の唐名とした。散職。〔資治通鑑‐唐玄宗記註〕
  4. たいした役目のない暇な官職。〔制度通(1724)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「散官」の意味・わかりやすい解説

散官
さんかん
san-guan; san-kuan

中国で職掌のない名目的な官をいう。漢代以来この制はあり,唐・宋時代の階 (文・武 30種) もそれにあたる。職事官と対立する概念で身分表示の機能もち,一般に俸禄は支給されない。清朝では封贈官と呼ぶ。

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普及版 字通 「散官」の読み・字形・画数・意味

【散官】さんかん

散位。

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