散居(読み)サンキョ

デジタル大辞泉 「散居」の意味・読み・例文・類語

さん‐きょ【散居】

[名](スル)
散らばって住むこと。
本国の容子を探るの便を計らんとて国境に―したる一組」〈竜渓経国美談
孫に当たる者が当主になった時の、その隠居者の称。また、その住居

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精選版 日本国語大辞典 「散居」の意味・読み・例文・類語

さん‐きょ【散居】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 散らばって住むこと。
    1. [初出の実例]「其の他、伏見の夷街・奈良の木辻坊より後くれ来る者、各所に散居す」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)初)
  3. 新たに土地を開墾して分家したもの。
  4. 伊豆七島など隠居制の行なわれる地方で、当主の長男が嫁をとって新しい当主となった時、その祖父にあたる隠居者(前当主の親)の生存中の呼称。新しい当主の親は隠居と呼ばれる。また、その住居。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「散居」の意味・わかりやすい解説

散居
さんきょ

山居,三居とも書く。隠居制の一形態。隠居制のみられる地方で,親が隠居のあと,その長男がまた隠居するときがきて,2世代の隠居が存在することになったとき,前の代の隠居を散居と呼ぶ。伊豆諸島以西の漁村山村に多くみられる。分家を隠居,孫分家を散居と呼ぶ伊豆半島南端部の例,または長男を本家 (ほんや) ,次男を隠居と呼ぶのに対して3男を散居と称する熊野地方の例もある。

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